ー奇談ー學校へ行こう(2)2
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「なんだろう手に甘い匂いがついてる」
千世子「ジュースでもついたのだ?」
悠「いや、おれあんまりジュース飲まないから違うな」
摩耶「和菓子を作ってたんじゃ?」
悠「いや、作ってない。」
神姫「茶屋の店主として、その発言はどうなのかしら。」
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。天狗隠しによって行方不明になった人間は、ふと戻ってくることもあるが、永遠に行方不明になることもあるのだ。また五体満足のまま返されるとも限らないようで、天狗隠しにあった人間が手足バラバラで発見されたという伝承もあるのだ。」
悠「ツクリオキガアッタンダヨー」
摩耶「茶屋でのあまりものは吉音ちゃんのお腹にいくでしょ」
亘理『おんなぁぁぁ?』
ずるるっ
悠「絡むな、絡むな……あっ」
亘理『あ?』
千世子「天狗隠しにあった人間を探すときは山に入って「鯖食った○○やーい」と、その人間の名前を叫んで回ると効果があるらしいのだ。天狗は鯖が嫌いなので、さらった人間が鯖を食べたといえば、天狗たちは自分の里にその人間を連れていくのをやめると考えられていたようなのだ。」
サタン「なんか思い出したのだ?」
悠「トイレの芳香剤だわ」
摩耶「いっきにどうでもよくなったね。」
悠「そうだ、そうだ。中身つめかえるときかかったわ。……昨日」
神姫「よっぽどこびりついてるのね。」
千世子「天狗の姿として一般的なのは、「赤い顔と高い鼻」なのだ。実はこの姿は「大天狗」といって、天狗の種類のひとつにすぎないのだ。天狗の中には赤い顔をしていないものもたくさんいるのだ。その一例としてもっとも有名なのが「烏天狗」なのだ。烏天狗は大天狗と同じように山伏の服を着て、羽の生えた人間の姿をしているが、大天狗とは違って長い鼻はなく、鳥の「トンビ」のような顔をしているのだ。烏天狗は大天狗の配下として働く下級の天狗だといわれているのだ。」
悠「そんなキツイやつじゃないのにここまで残るとは、やるな芳香剤!!」
スキュラ「臭い取ります?」
亘理『どうやって?』
スキュラ「私の触手から出る溶解液で……」
悠「それ、臭いじゃなくて手が溶ける」
千世子「自信過剰で傲慢な僧侶が死ぬと、天国にも地獄にもいけないために天狗に変身するという民間信仰があるのだ。また、天狗に弟子入りして修行し、天狗になった人物の逸話も残っているのだ。人間が天狗に変化するのは珍しいことではないのだ。人間から天狗に変身した人物として「崇徳上皇(すとくじょうこう)」という人物が特に有名なのだ。」
スキュラ「だいぶ弱めますから」
悠「どの程度?」
スキュラ「弱酸性ぐらいまでには」
悠「それならいけそうだけど、おれ、肌ナイーブだからやめとくわ。」
摩耶「ビビったね。」
ベヒモス「ビビったモスね」
悠「びびびってててねーし!」
千世子「上皇とは、生きながらにして天皇を引退した人物に送られる呼び名なのだ。平安時代の末期の天皇である崇徳上皇は、天皇をやめた後も権力を握ろうと計画したが、天皇家内部の権力争いに負けて、四国の香川県に島流しされてしまったのだ。恨みを抱いたまま亡くなった崇徳上皇は天狗に変化し、京都に大火事、飢餓、武士の反乱という強烈な「祟り」を起こしたといわれているのだ。天狗に剣術を習った義経といい、平安時代の末期は何かと天狗に縁がある時代だったようなのだ。以上、天狗のじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「なんだろう手に甘い匂いがついてる」
千世子「ジュースでもついたのだ?」
悠「いや、おれあんまりジュース飲まないから違うな」
摩耶「和菓子を作ってたんじゃ?」
悠「いや、作ってない。」
神姫「茶屋の店主として、その発言はどうなのかしら。」
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。天狗隠しによって行方不明になった人間は、ふと戻ってくることもあるが、永遠に行方不明になることもあるのだ。また五体満足のまま返されるとも限らないようで、天狗隠しにあった人間が手足バラバラで発見されたという伝承もあるのだ。」
悠「ツクリオキガアッタンダヨー」
摩耶「茶屋でのあまりものは吉音ちゃんのお腹にいくでしょ」
亘理『おんなぁぁぁ?』
ずるるっ
悠「絡むな、絡むな……あっ」
亘理『あ?』
千世子「天狗隠しにあった人間を探すときは山に入って「鯖食った○○やーい」と、その人間の名前を叫んで回ると効果があるらしいのだ。天狗は鯖が嫌いなので、さらった人間が鯖を食べたといえば、天狗たちは自分の里にその人間を連れていくのをやめると考えられていたようなのだ。」
サタン「なんか思い出したのだ?」
悠「トイレの芳香剤だわ」
摩耶「いっきにどうでもよくなったね。」
悠「そうだ、そうだ。中身つめかえるときかかったわ。……昨日」
神姫「よっぽどこびりついてるのね。」
千世子「天狗の姿として一般的なのは、「赤い顔と高い鼻」なのだ。実はこの姿は「大天狗」といって、天狗の種類のひとつにすぎないのだ。天狗の中には赤い顔をしていないものもたくさんいるのだ。その一例としてもっとも有名なのが「烏天狗」なのだ。烏天狗は大天狗と同じように山伏の服を着て、羽の生えた人間の姿をしているが、大天狗とは違って長い鼻はなく、鳥の「トンビ」のような顔をしているのだ。烏天狗は大天狗の配下として働く下級の天狗だといわれているのだ。」
悠「そんなキツイやつじゃないのにここまで残るとは、やるな芳香剤!!」
スキュラ「臭い取ります?」
亘理『どうやって?』
スキュラ「私の触手から出る溶解液で……」
悠「それ、臭いじゃなくて手が溶ける」
千世子「自信過剰で傲慢な僧侶が死ぬと、天国にも地獄にもいけないために天狗に変身するという民間信仰があるのだ。また、天狗に弟子入りして修行し、天狗になった人物の逸話も残っているのだ。人間が天狗に変化するのは珍しいことではないのだ。人間から天狗に変身した人物として「崇徳上皇(すとくじょうこう)」という人物が特に有名なのだ。」
スキュラ「だいぶ弱めますから」
悠「どの程度?」
スキュラ「弱酸性ぐらいまでには」
悠「それならいけそうだけど、おれ、肌ナイーブだからやめとくわ。」
摩耶「ビビったね。」
ベヒモス「ビビったモスね」
悠「びびびってててねーし!」
千世子「上皇とは、生きながらにして天皇を引退した人物に送られる呼び名なのだ。平安時代の末期の天皇である崇徳上皇は、天皇をやめた後も権力を握ろうと計画したが、天皇家内部の権力争いに負けて、四国の香川県に島流しされてしまったのだ。恨みを抱いたまま亡くなった崇徳上皇は天狗に変化し、京都に大火事、飢餓、武士の反乱という強烈な「祟り」を起こしたといわれているのだ。天狗に剣術を習った義経といい、平安時代の末期は何かと天狗に縁がある時代だったようなのだ。以上、天狗のじゅぎょーだったのだ。」