ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「寒さの恐怖におびえている!」

摩耶「はい、カイロ」
スッ
悠「……あったかい」

亘理『なにこれ』

神姫「正しい対処法でしょう」

【鎌鼬】

千世子「外出から帰って服を脱いだら、いつの間にか切り傷ができていた、などという経験はないだろうか?もし傷の原因が全く分からず、痛みもなくできた傷ならば、その傷は妖怪「鎌鼬」の仕業かもしれないのだ。」

悠「カマイタチ、三方向……うひひ」

亘理『これは?』

摩耶「シレン病」

悠「病気じゃないよ!中毒だよ!」

神姫「それも問題ありよ」

千世子「鎌鼬は、主に甲信越地方に伝わる妖怪なのだ。旋風に乗って現れ、鋭い刃物のようなもので人間に切り傷を追わせるのだ。鳥山石燕の「図画百鬼夜行」では、鎌鼬には「窮奇」とい漢字が当てられ、鼬のような姿で描かれているのだ。」

悠「鼬といえば…」

亘理『可愛いよね。』

悠「凶暴だけどな」

亘理『そうなの?!』

悠「あいつらニワトリやネズミ、ウサギなんでも食う雑食だし、垂直に壁を登る」

千世子「江戸時代には、多くの人が鎌鼬の被害にあったという記述があるのだ。鎌鼬によって付けられる傷の深さは、かすり傷程度の者から、骨が見えるほど深く切られたものまで様々なのだ。明治七年にかかれた「想山著聞奇集」という本によれば、鎌鼬によって傷つけられた傷は、初めは痛みも出血もないが、やがて激痛とともに大出血となり、最終的には死んでしまうというのだ。ちなみに、鎌鼬によって傷を受ける部位のほとんどが足で、そのため鎌鼬は地面から30センチほどの高さまでしか飛べないのではないかといわれているのだ。」

摩耶「小さい動物ほど実は性質が悪い説」

神姫「狐しかりアライグマしかり」

亘理『アライグマも?!』

悠「アライグマは気性荒いからな指とか普通に食いちぎるぞ」

亘理『ひぇっ!』

千世子「ほとんどの場合、鎌鼬は道端や川辺で人を襲うが、時には家の中に出没することもあったのだ。江戸時代には、下駄を履こうとした男性や、トイレで用をたそうとした女性が襲われたという記録もあるのだ。」

サタン「トルネードなら我も起こせるのだ」

悠「ハリード?」

摩耶「デミルーンの事をカムシーンさんっていうのやめたげなよ!」

神姫「色々と混ざってるわよ」

悠「本物のカムシーン手に入れたらバッドENDとかないわぁ」

千世子「鎌鼬の正体は地方によってさまざまに語り継がれているのだ。多くの場合、名前通り刃物を持った鼬が正体だとしているが、中には鬼神の刃に当たってしまったために切り傷を負う現象だ、などと、大げさな由来が語られることもあるのだ。」

摩耶「ドラルーって結局黒が一番強いのかな」

悠「緑じゃね?まぁ、ブレスさえ対策してればただのカモだけど」

神姫「竜槍がでない呪いにかかるわよ」

悠「ようせいたんにプレゼントしたいので勘弁してください」

亘理『あん?』

千世子「岐阜県の山岳地帯である飛騨地方では、鎌鼬は3人組の神だというのだ。まず一人目の神が人間を転ばせ、二人目の神が切り付け、三人目の神が薬を塗って、瞬時のうちに血を止めるのだ。そのため飛騨の鎌鼬現象では、傷から出血しないのだ。」

悠「なんにでもヤキモチ焼くのやめれ」

亘理『じゃあもっとちやほやしないさいよっ!!』

悠「おれがされたいわ!」

神姫「血矢火矢?」

悠「やさしくしてぇ」

千世子「近年では鎌鼬は、皮膚が急激に冷やされたせいで裂けてしまう現象で、寒さで指先が裂ける「アカギレ」に似た現象だと考えられているのだ。鎌鼬の伝承が甲信越地方など寒い寒冷地に多いことも、この説を裏付けているのだ。以上、鎌鼬のじゅぎょーだったのだ。」
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