ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「今食べたいもの」

摩耶「ユーリンチー」

亘理『なにそれ?』

神姫「唐揚げっぽい奴」

悠「タレがすっぱいと最高。すっぱいの好き。」

摩耶「すっぱいのが?」

悠「好き」

千世子「じゅぎょーしますなのだ。河童が人間から引っこ抜くという謎の器官、尻子玉。もちろん、そんな器官は人間にはないのだが、昔の人々は本気で尻子玉の存在を信じていたのだ。その理由は溺れ人だ人間の死体を見れば理解することができるのだ。」

摩耶「妊娠してる?」

亘理『誰の子よ!』

悠「してねーよ!!百歩譲ってもさせる側だ!」

神姫「……」
パンっ!
悠「ぎゃっ!?目の前で!空気が!空気が!」

千世子「溺死した人間は、肛門を締めている括約筋が緩み、肛門がぽっかりと穴が開いたように開いてしまうのだ。昔の人々はこの姿から、肛門に尻子玉という臓器があると想像し、溺死者は「河童に尻子玉を抜かれたに違いない」と考えるようになったのだ。」

摩耶「空気が?」

悠「爆ぜた!」

サタン「我も……」

悠「禍々しい気弾は出さなくていいぞ」

サタン「……」
べチンッ!べチンッ!
悠「おい、硬質な翼を当てるなおもっくそ痛い」

亘理『翼って頑丈なんだね。』

悠「翼で打つって攻撃もあるからな」

千世子「なお、河童が人間の肝を好んで食べるという伝承も溺死者の姿からきているのだ。人間が溺死して長時間がたつと、内臓が腐敗して体内にガスがたまり、腹が異様に膨れ上がるのだ。そして腐敗した内臓は溶けてしまうのだ。」

悠「人間の内臓なんて臭くて食えたもんじゃないだろうにな」

摩耶「酒盗とかと同じかもよ」

悠「ああ、おれは割と好き」

神姫「私は好きではないわね。」

摩耶「生臭いの苦手?」

神姫「うーん……モノによるわね。」

千世子「溺死者の内臓がないのを見た人々は、河童が肛門から体内に手を突っこんだせいで腹が膨らみ、腸を引きだして食べたせいで内臓が見当たらないのだと考えたのだろうなのだ。今回はここまでで続きは次回なのだ。」

悠「今日は早いな」

千世子「タイムラインの調整なのだ。」

悠「タイムラインて……」

千世子「じゃあ、勉強家のあんちんに補習してあげるのだ」

悠「ほーら、高いたかーい」
バッ!
千世子「わーいってなにしてるのだ。」

悠「誤魔化してる」

亘理『私も!私も!』

神姫「高い高いより、高い位置からぶら下がってるでしょ」
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