ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/10/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「ゾンビっていったらバイオが思い浮かぶのが普通だよな。」

摩耶「普通でいったらそうなのかな?」

花描「ゾンビの話題が普通じゃ無いけどな。」

悠「ゾンビって聞いてナムコスプラッターハウスを思い浮かべるおれは軽い筐体中毒者なのかもしれない。」

神姫「もしかしてファミコンよりPCエンジン派?」

悠「ってより、アーケードゲームが好き派。」

千世子「悠のあんちんは限りなくゲーマーなのだ。けど、ゲームは一日一時間なのだ」

悠「ありえねぇ。」

千世子「さて、じゃあ「オウンガン」のじゅぎょーの続きで今日はゾンビの作り方なのだ」

摩耶「笑顔ですごいこといってるね」

花描「摩耶くんも大概笑顔ですごいこといってるけどな。」

千世子「ゾンビを作るには、新鮮な死体が必要なのだ。しかし、いつでもそう都合よく新鮮な死体が手に入るとは限らないのだ。」

悠「手にはいってたまるか。」

千世子「したがって、ほとんどの場合は「ゾンビを作る目的で誰かを殺す」ところから作業をスタートしたのだ」

悠「ヤンデレが愛ゆえに殺すみたいなもんか」

花描「ぜんぜん違うだろ。」

千世子「このとき使用するのが、魔法の薬「ゾンビパウダー」なのだ。オウンガンは、まず、相手の家の周りにゾンビパウダーを撒いたり、相手に直接ゾンビパウダーをふりかけたりして、しばらく待つ。するとゾンビパウダーの効果が現れ、相手は呼吸困難になって死ぬのだ。」

神姫「それってサ…」

悠「それ以上の発言はダメだ。」

千世子「そして、葬儀の後で死体が埋葬されるのを待ってから、2~3日以内に墓を掘り起こすのだ。死体を持ち帰って「解毒剤」を与えると、めでたくゾンビの完成なのだ!」

悠「めっさ良い笑顔だな。」

千世子「こうやって説明すると、ゾンビを作るオウンガンはいかにも悪人のようだけど現実には「地域社会の犯罪者に対する制裁」といった意味が強かったのだ。さて、悠のあんちん、政府や警察組織の力が弱い地域はどうなるのだ?」

悠「そりゃ住民たちが自力で治安を維持していくしかないだろうな」

千世子「そう。だから「罪を犯すとゾンビとして永遠に働かされる」という罰を作ることで、犯罪の抑止力としていたのだ。」

花描「なるほどなぁ。」

千世子「なお、ハイチの人々は、死んだあとでゾンビにされてしまうことを恐れ、死体の口に塩をつめたり、死体の首をきったりすることもあったのだ。わざと死体を破壊することで、絶対に復活できないようにするためなのだ。以上オウンガンだったのだ」





悠「……」

神姫「まだ帰らないの?」

悠「知り合いにさぁ」

神姫「?」

悠「本当かどうかはわからんけど人身・オルガン(臓器)売買組織の総元締のヤクザがいるんだよ。新宿で仕切ってる」

神姫「……」

悠「……おれ死ぬなら蜂の巣がいいなぁ。二度と使いモンにならないくらいスダボロにしちゃってヨってカンジ?」

神姫「…安心しなさいよ。悠の内蔵なんか汚くて使えないわよ。」

悠「…そりゃそーか。」
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