ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

髪切り『……』
シャキシャキ
亘理『ちゃんとしてね?』

悠「切り過ぎたらボコボコにして片刃を砕く、毛先がそろってなくてもボコボコにして片刃を砕く、おかしなアレンジを加えたらボコボコにして嘴を叩き割るからな。」

髪切り『は、はいぃ…。』
シャキシャキ

千世子「既にボコボコなのだ。」

摩耶「でもまぁ、床屋代わりになるならいいね。」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからで「山姥」という妖怪が生まれた理由には、いくつかの説があるのだ。」

黒いナニカ『はぐはぐっ』

サタン「あの黒いぶよぶよしたの何なのだ?」

義鷹「髪食いだ。髪を食う妖怪。」

摩耶「髪切りより性質が悪そう」

義鷹「どっちも髪にちょっかいをだす妖怪だが髪を切るのと食うのににしか執着がない。今はもっぱら髪切りがきった毛を髪食いが食うコンビとしてゃってるらしい。」

千世子「第1の説は、山姥はもともと山の神に使える巫女、もしくは山の神そのものだったというものなのだ。かつて日本には、山を神聖なものとして崇める「山岳信仰」という風習があったのだ。」

悠「なんにしてもおれの頭にケチつけてムカつかせたヤツぁ何モンだろうーーーと許せねぇ。」

髪切り『ひぇっ…』
カタカタ
亘理『あの、髪切ってるから震えるのやめて』

神姫「ケチをつけてはないでしょ」

摩耶「やれやれだぜ」

千世子「かつて山の神の祭りでは、女性を山に登らせるという儀式を行う地方があったというのだ。しかし、時代が進むと山の神への信仰が薄れて、山に送られた巫女や山の神そのものが妖怪に変わっていったというものなのだ。」

悠「もし、一センチでも切られてたらクレイジーダイヤモンド出てたぜマジで」

神姫「出してみなさいよ」

悠「はい」
コトッ
【クレイジーダイヤモンドのフィギュア】

神姫「……」
スッ!
悠「壊すのは勘弁してください!!」

千世子「第2の説は、山姥は日本にもともと住んでいた土着民であるというものなのだ。その昔、朝廷は自分たちに従わない民族を討伐し、屈服させてきた歴史があるのだ。山姥とは、朝廷の支配から逃れるために山に逃げた土着民の末裔だというのだ。」

サタン「なんでも持ってるのだ。」

悠「これは今日ゲーセンで取ったものだよ。」

摩耶「箱から出しちゃってるの?」

悠「大丈夫だ。10個ぐらい取ってきたから」

摩耶「ゲーセンの店員さん頭抱えてないといいけどね。」

千世子「代の説は、精神病にかかった女性が山に行き山姥になったというものなのだ。昔は、出産前後のアクシデントで精神を病んだ女性が山に隠されることもあったようなのだ。今回はここまでなのだ。」
40/100ページ
スキ