ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『悠ちゃん、なんかゲームない?』

悠「そんなざっくばらんないいかされてもなぁ。もうちょいジャンルとかさぁ」

亘理『なんか癖になるの』

悠「……クッキークリッカー?」

亘理『なにそれ』

悠「パソコンのブラウザゲーだ。内容はクリックしてクッキーを作る」

亘理『それで?』

悠「クッキーを作り続ける」

亘理『ふんふん……で?』

悠「作り続ける」

亘理『…………』

悠「さぁ、クッキーを焼き続けるがいい!」

亘理『絶対に楽しくないよソレ!』

悠「やってみてからいえよ」

亘理『むぅ、こんなの絶対にすぐ飽きるよ』
カチカチッ

悠「……」

亘理『……』
カチカチッ

悠「……」

亘理『…………』
カチカチカチカッ

悠「クッキーに取り憑かれたな」

摩耶「取り憑かせたの間違いだよね」

悠「それにしても今年ももう半分だな」

神姫「来年、悠の顔を見る回数が少ないといいのだけど」

悠「……え?」

神姫「二度同じ事を言わせないで。一度でいい事を二度言わないといけないってのは頭悪いってことだからよ」

悠「ジョルノジョバーノッ!!」

千世子「あんちんは今日も元気なのだ」

悠「いやぁ、そうでもない」

摩耶「調子が出ないでこの騒ぎようってことは、元気だと大変ウザいってことだよね」

悠「ウザくいよー、ぴろぴろりーん」

摩耶「発剄」
トンッ、ズンッ!
悠「エ゛ン゛ッ!」

神姫「……」
ピッ、ズドンッ!
悠「ぎゃっ!」

千世子「無言の追い打ちなのだ」

サタン「生きてのだ?」

悠「……死ぬかもしれない」

アリス『そわそわ、そわそわ』

スキュラ「おや、アリスさんがどこからともなく現れましたよ」

悠「死なんぞ!」

アリス『むぅー!』
ベシベシ
悠「そんな顔してもダメです!!」

千世子「お菓子感覚で命を狙われてるのだ」

摩耶「金は命よりも重い」

悠「船に乗ってカードでジャンケンさせられそうだ。」

アリス『むー!むー!』
べしべしっ!
悠「お菓子あげるから叩いたり蹴ったりするのやめなさい!横っ腹とかくるぶしとか微妙に痛いんだよ!」

摩耶「いいところを狙うね。」

悠「やられる側はたまったもんじゃないけどな。」

亘理『…………』
カチカチカチカチカチッ

雨「そしてコイツは無心にクリックしてる…。」