ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あー、なんかお腹すいた」

摩耶「胃薬飲む?」

悠「それ余計に腹減るべ」

神姫「誇りに醤油かけて食べれば?」

悠「超酷い」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。「座敷童」は主に東北地方で使われている名前なのだ。この妖怪は北海道では「アイヌカイセイ」、沖縄では「アカガンター」のように、地域ごとに様々な名前で呼ばれているのだ。」

アクエリアス「サキイカならあるのじゃ」

サタン「サラミならあるのだ」

悠「酒のつまみかよ」

ベヒモス「あかだならあるモス」

悠「なんでそれが……」

千世子「また、東北地方の中でも複数の呼び名があるのだ。例えば蔵に現れる「蔵ボッコ」、石臼で米をついて不純物を吹き払うという「臼引きわらし」、土間から座敷に這い上がってくる「のたばりこ」、色白な肌が特徴の「ちょうぴらこ」などがその一例なのだ。」

亘理『あかだって?』

悠「愛知県津島市にある津島神社周辺で製造・販売されている名物菓子。」

亘理『美味しそう』

ベヒモス「おひとつどうぞモス」

亘理『ちっちゃいかりんとうみたいだね。あーん、がぎりっ……?!』

悠「あかだとくつわがあるんだが、あかだの方が硬いらしい。江戸時代に名物となったそうで、 米粉を練り、団子状にしたものを油で揚げたものだ。」

千世子「なかには子供の姿をしていない者もいるのだ。「座敷ぼっこ」は、坊主頭で丸顔の老婆の姿なのだ。座敷童の中には階級のようなものまであるというのだ。「ちょうぴらこ」という座敷童は美形で、格が高いといわれるのだ。臼引きわらしやたばりこは、格が低く気味の悪い座敷童とみなされるのだ。」

亘理『が、がりりっ』

摩耶「確か歯が欠けるレベルで硬いらしいね。」

悠「噛めば噛むほど味はいいそうだけど」

亘理『ガッガッ……ちゅぱちゅぱっ』

神姫「噛むのは諦めて口の中で転がしだしたわね。」

悠「飴じゃないんだから」

千世子「以前のじゅぎょーで座敷童は「妖怪またはそれに近い存在」といったのだ。なぜ、こんなに歯切れの悪い表現をするかというと、厳密に考えると座敷童は「妖怪」ではない可能性があるからなのだ。現在研究者の間で主流になっている意見が正しいとすると、座敷童は妖怪ではなく、亡霊といった方がふさわしい存在になってしまうのだ。今回はここまでで、続きは次回なのだ。」
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