ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/8/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「あー…動物園いきたいな」

神姫「いいわね」

花描「動物好きなのか?」

神姫「人間と違って余計な付き合いしなくていいでしょ」

悠「動物のが群れで行動する気がするんだが…」

摩耶「馬とかいいよね」

千世子「千世子はアライグマが好きなのだ。じゃなくて今日のじゅぎょーはこれなのだ!」

【サイオン】
己の精神力のみが頼り

摩耶「サイオンってあんまり聞かないね。」

千世子「サイオンはいわゆる超能力者のことなのだ。超能力(サイオニック)が魔法の一部に分類されると言われても、日本ではピンと来ない人のほうが多いかもしれないのだ。」

摩耶「超能力者か」

悠「たしかに手立てはファンタジーRPGでも超能力が登場するのはファイナルファンタジーX-2インターナショナル版とかしか少数だしな。」

千世子「けど海外の創作世界とゲームの設定だと、超能力が「魔法体系の一種」と扱われるケースが、わりと一般的なのだ。」

神姫「マニアックな話になってきたわね。」

花描「もともとマニアックな話ばっかりだけどな」

悠「そういや、ウィザードリィシリーズやテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の有名作品にはサイオンが登場するな。」

千世子「トレーディングカードゲームのマジックザギャザリングには、形だけは「魔法」を謳いながら、実際には超能力としか言いようがないカードが多数収録されているのだ。」

神姫「結局、超能力は魔法なの?」

千世子「超能力には「離れた場所に対して働きかける技」がいくつかあるのだ。たとえば「普通に手を使って物を動かす行為」を遠距離に拡張したものが「サイコキネシス」いわゆる離れた場所にあるものを、手を触れずに動かす能力なのだ。「別の場所に移動する行為」を遠距離に拡張したものが「テレポーテーション」。「目の前の相手と普通に会話する行為」を遠距離に拡張したものが「テレパシー」なのだ。」

摩耶「サイコキネシス、テレポーテーション、テレパシーは超能力の代名詞みたいな能力だよね」

千世子「これらはすべて「近距離であれば普通の人でもできる行為」が、超能力によって離れた場所に拡張されたに過ぎないのだ。超能力とは、あくまで「普通の人の能力の拡張したもの」なのだ。」

悠「逆にいえば「普通の方法ではできないこと」は、いくら超能力をつかったとしてもできないってことか。」

千世子「そうなのだ。相手を呪って病気にする、悪魔を召喚する、死者を復活させる、みたいな行為は、いくら超能力をつかっても無理なのだ。以上サイオンのじゅぎょーだったのだ。」
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