ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「しかし、これはちょっと暑いわ。すこし温度下げてくれ」

揺光【我儘じゃな】
ゴォォォ×5

摩耶「そういう調整の仕方なんだ」

悠「便利だな」

揺光【生やしてやろうかえ?】

悠「ノーサンキュー」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。北海道の北端、稚内地方の伝承によれば、アイヌの人々が作物の不作で飢えに苦しんでいた時、アイヌの家の前に毎日3匹の魚が置かれるようになったのだ。」

悠「コロポックル……薬……」

アクエリアス「なぜこっちを見るのじゃ」

悠「いや、コロポックルなんじゃないかなって」

揺光【この女童……呪いがかかっておるな】

悠「えっ」

千世子「これを行っていたのは白い手のコロポックルで、昔コウモリにいじめられていたのをアイヌの人に助けられたお礼として、飢えに苦しむ村の全ての家に魚を配っていたのだ。北海道南部の日高地方うに伝わる民話では、飢えた人々に魚をくれるだけでなく、病人のために薬をくれたコロポックルもいるのだ。」

スキュラ「はい、実はそうなんです」

アクエリアス「実はそうなのじゃ」

悠「呪いでそんな酒臭い幼女に…」

スキュラ「酒臭いのはナチュラルです」

亘理『それはそれでどうなの…』

千世子「ただしコロポックルは聖人ではないので、悪い事をされれば怒って仕返しをするのだ。北海道の南東部の、十勝地方の民話では、稚内の民話と同じ世に人間に食べ物を与えていたコロポックルに対して、悪いアイヌが、魚を置きに来たコロポックルの腕を掴んで家の中に引き込むとそれは裸の女性のコロポックルだったのだ。」

摩耶「悠君も呪われてるけどね。」

悠「これは「呪い」を解く物語――その始まり――「呪い」とはある人に言わせると、自分の遠い先祖の犯した罪から続く「穢れ」と説明する。あるいは――坂上田村麻呂が行った蝦夷征伐から続いている「恨み」と説明する者もいる。また違う解釈だと人類が誕生し物事の「白」と「黒」をはっきり区別したときにその間に生まれる「摩擦」と説明する者もいる。だが とにかくいずれの事だが「呪い」は解かなくてはならない。さもなくば「呪い」に負けてしまうか…。」

神姫「それはジョジョリオン」

悠「ソフト&ウェット、柔らかくてそして濡れている……」

千世子「裸の姿を見られてしまった女コロポックルが泣きながら帰っていくと、しばらく後にアイヌのもとに、コロポックルの親方が怒り心頭の様子で現れ、コロポックルが海の向こうに歩くにレプンコタンに変えることと、アイヌの土地に呪いをかけることを宣言して去っていったというのだ。ちなみにこのときアイヌの親方にかけた呪いの内容は「ネプ・チー(何でも焼けろ)」「トカプチー(枯れてしまう)」というものだったのだ。このトカプチーという言葉が十勝という地名の語源になったともいわれているのだ。」
20/100ページ
スキ