ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「うーっす」

千世子「あ、あんちんちょうどよかったのだ。」

悠「なんぞ?」

亘理『あ、悠ちゃん。ちょっと見てよ』

骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』

悠「なんだあの頭蓋骨の山」

冥「目比べですナ」

悠「もつ鍋?」

千世子「いっぺん耳掃除したほうがいいのだ。」

悠「冗談冗談」

千世子「目比べは鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』にある日本の妖怪なのだ。」

悠「睨んでたら消えるってやつだろ。」

千世子「そうなのだ。」

悠「だったら睨んで追い返せばいいじゃん。」

亘理『それが……』

サタン「目がつかれたのだ…」

ベヒモス「乾いて目が痛いモス…」

スキュラ「私はもともとドライアイ気味なんですよね…」

悠「名だたる魔王、神獣、邪神が睨みあいでグロッキーって……」

亘理『最初はもっとどばーって教室一杯あったんだよ。』

悠「それでこれだけに減らしたってことは……あ、割と大変そうだな」

摩耶「ていうかさ」

悠「どした?」

摩耶「増えてない?」

悠「あ?」

骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』

千世子「増えてるのだ!」

悠「単細胞分裂でもしてんのか……」

摩耶「よし、悠君睨みつけで一層だ!」

悠「おうっ!」
ギロッ!
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』

悠「ムムッ!」

骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』

悠「……あの、どのぐらい睨み合ってたらいいの?」

亘理『瞬きせずに数分~数十分。』

悠「うわぁっ!それはちょっとキツイ!」

摩耶「瞼テープで固定する?」

悠「それもそれで辛いよ?!」

サタン「がんばれなのだぁ…」
ベヒモス「がんばれモスぅ…」
スキュラ「ファイトです…」

悠「そらコイツらもグロッキーになるわなっ!!」

冥「義鷹かメフィさんがいれば複眼の何かに化けたり召喚してもらえるんですけと、あいにく今日は二人とも留守ですナ」

悠「ぐぬぬぬっ」

骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』
骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』骸骨『ギロッ』

神姫「なに騒いでるの?」

骸骨『!!』骸骨『!!』骸骨『!!』
骸骨『!!』骸骨『!!』骸骨『!!』
骸骨『!!』骸骨『!!』骸骨『!!』

ボフンッ!

悠「うぉっ?!」

亘理『全部消えたのだ!』

神姫「なに?」

悠「あ……神姫の眼つきの悪さに目比べが負けたのか!」

神姫「誰の眼つきが悪いよ」
ドスッ!
悠「め゛っ!?」

摩耶「眼力とかいわない悠くんが悪いね。」

千世子「残念過ぎなのだ。」
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