ー奇談ー學校へ行こう(2)2
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「オデン食いたい」
摩耶「はい、鍋」
亘理『水』
雨「コンロ」
悠「……具と出汁は?!」
【龕(がん)のマジムン】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。人間が使うものには念がこもりやすいのだ。特に死人にまつわるものには、生者と死者の強い思いがこもるのだ。これは日本本土とは異なる文化を持つ沖縄でも変わらないのだ。沖縄では本土でいう「棺桶」が妖怪になる伝承が語り継がれているのだ。」
摩耶「そこは悠君が準備しないと」
神姫「一から十までなんでも準備してもらえると思わないで」
悠「アッハイ」
スキュラ「触手でよければありますが」
悠「あまり良くないですわ」
千世子「棺桶の妖怪は「龕の精」「龕のマジムン」というのだ。マムジンとは、沖縄の言葉で妖怪という意味なのだ。ちなみに龕とは、棺桶を入れて担ぐ御輿のようなもので、本土の仏具と違って鮮やかな朱色で塗られ、仏画や彫刻で飾られているのだ。龕の精の特技は牛、馬、人間などに変身することなのだ。変身は多くの場合夜に行われ、人間をおどかすのだ。そして夜が明ける頃には龕の姿に戻っているのだ。」
悠「触手ならラヴクラフト産のもあるけどな」
神姫「SAN値ゴリゴリ削れそうね」
悠「ホントにねー」
サタン「仕方ないからお湯を沸かして熱燗作るのだ」
悠「それはそれでありだな」
千世子「例えば、家の外から呼びかけ、人間が出てきたところに牛の姿で突進する。男は一晩中格闘して押さえつけるのだが、朝になってみると、牛だと思ったのは壊れた古い龕だったという伝承があるのだ。他の話では、まず女の姿になって夫婦にまず赤ん坊を預け、次に牛になって襲ってきたが、夫に押さえつけられるとやはり龕の正体を現したのだ。赤ん坊は、燈火で照らすと白木の位牌になったというのだ。」
摩耶「でも、それって結局つまみにオデンが欲しくなるパターンだよね。」
悠「まぁな」
アクエリアス「とりあえず熱燗を飲みながらかんがえるのじゃ」
悠「お子様、お酒、ダメ」
アクエリアス「子ども扱いやめいなのじゃ!」
千世子「龕の部品も変身して人間を惑わすというのだ。夜中に鶏を売りに来たものがいたので、購入して翌朝鶏を見ると、龕にとりつける木彫りの鳥になっていたのだ。その後、この地域では夜に鶏を買ってはいけないといわれているのだ。」
摩耶「じゃっかん「なのだ」がうつってる。」
悠「しかたない、あとで材料を管理人ちゃんに貰おう」
亘理『くれるかな』
悠「おれが可愛くアピールすれば余裕」
神姫「みじん切りにされるといいわ」
悠「ひぇっ」
千世子「龕の扱いや葬式には様々な取り決めや言い伝えがあるのだ。龕は村の共有物で、年に一度は龕の祝いを行い、宴会を開いて供養したというのだ。ほか、葬式が終わって龕をしまうときには、悪口を言いながらしまわないと、龕の精がまた人を連れに出てきてしまうというのだ。また、古くなった龕や棺桶の板はそのままにしておくと化け物になるので、十分に供養した後に焼かなければいけないのだ。以上、龕の精のじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「オデン食いたい」
摩耶「はい、鍋」
亘理『水』
雨「コンロ」
悠「……具と出汁は?!」
【龕(がん)のマジムン】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。人間が使うものには念がこもりやすいのだ。特に死人にまつわるものには、生者と死者の強い思いがこもるのだ。これは日本本土とは異なる文化を持つ沖縄でも変わらないのだ。沖縄では本土でいう「棺桶」が妖怪になる伝承が語り継がれているのだ。」
摩耶「そこは悠君が準備しないと」
神姫「一から十までなんでも準備してもらえると思わないで」
悠「アッハイ」
スキュラ「触手でよければありますが」
悠「あまり良くないですわ」
千世子「棺桶の妖怪は「龕の精」「龕のマジムン」というのだ。マムジンとは、沖縄の言葉で妖怪という意味なのだ。ちなみに龕とは、棺桶を入れて担ぐ御輿のようなもので、本土の仏具と違って鮮やかな朱色で塗られ、仏画や彫刻で飾られているのだ。龕の精の特技は牛、馬、人間などに変身することなのだ。変身は多くの場合夜に行われ、人間をおどかすのだ。そして夜が明ける頃には龕の姿に戻っているのだ。」
悠「触手ならラヴクラフト産のもあるけどな」
神姫「SAN値ゴリゴリ削れそうね」
悠「ホントにねー」
サタン「仕方ないからお湯を沸かして熱燗作るのだ」
悠「それはそれでありだな」
千世子「例えば、家の外から呼びかけ、人間が出てきたところに牛の姿で突進する。男は一晩中格闘して押さえつけるのだが、朝になってみると、牛だと思ったのは壊れた古い龕だったという伝承があるのだ。他の話では、まず女の姿になって夫婦にまず赤ん坊を預け、次に牛になって襲ってきたが、夫に押さえつけられるとやはり龕の正体を現したのだ。赤ん坊は、燈火で照らすと白木の位牌になったというのだ。」
摩耶「でも、それって結局つまみにオデンが欲しくなるパターンだよね。」
悠「まぁな」
アクエリアス「とりあえず熱燗を飲みながらかんがえるのじゃ」
悠「お子様、お酒、ダメ」
アクエリアス「子ども扱いやめいなのじゃ!」
千世子「龕の部品も変身して人間を惑わすというのだ。夜中に鶏を売りに来たものがいたので、購入して翌朝鶏を見ると、龕にとりつける木彫りの鳥になっていたのだ。その後、この地域では夜に鶏を買ってはいけないといわれているのだ。」
摩耶「じゃっかん「なのだ」がうつってる。」
悠「しかたない、あとで材料を管理人ちゃんに貰おう」
亘理『くれるかな』
悠「おれが可愛くアピールすれば余裕」
神姫「みじん切りにされるといいわ」
悠「ひぇっ」
千世子「龕の扱いや葬式には様々な取り決めや言い伝えがあるのだ。龕は村の共有物で、年に一度は龕の祝いを行い、宴会を開いて供養したというのだ。ほか、葬式が終わって龕をしまうときには、悪口を言いながらしまわないと、龕の精がまた人を連れに出てきてしまうというのだ。また、古くなった龕や棺桶の板はそのままにしておくと化け物になるので、十分に供養した後に焼かなければいけないのだ。以上、龕の精のじゅぎょーだったのだ。」