ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「元人魚ってなんだ?今は魚になってんのか?」

神姫「それは正当な進化なの?それとも退化?」

摩耶「あ、確かに気になる」

スキュラ「というか、魚にはなっていません。今は……「ナニか」といえば魔女でしょうか」

千世子「人魚姫が魔女に人間にしてもらうっていうのは聞いたことあるけど、人魚が魔女になるってパターンもあるんだね。」

スキュラ「色々とわけありなんですがね。ただ、無類の酒好きなんですよ」

サタン「その酒を知ってるのは相当なのだ」

悠「ふーん……どれ、ちょっと匂いかがしてくれ。」

サタン「あ、やめるのだ!」

悠「飲むとは言ってないだろ匂い嗅ぐだけだよ……クンッ、ぶはっ!?」

亘理『どしたの?!』

悠「げほっ、甘ったるい……げほっ!!」

摩耶「わっ……ここまで匂ってくる」

神姫「むせかえるほどの甘い香りね、こほっ」

サタン「飲めば脳が痺れるほど甘くて濃い味なのだ。」

神姫「それ、危なくない?」

悠「そう聞くと飲みたくなってきた」

摩耶「欲望の加速」

悠「じょ、冗談だって……アレ?今おれが持ってた小瓶は?」

千世子「知らない……あっ」

悠「あ?」

幼女「ゴクゴクッ……ぷはぁっーー!」

摩耶「あ、飲んだ」

悠「うわっ!馬鹿やろ!それはジュースじゃないぞ!!」

スキュラ「あ、大丈夫です。アクエリアスさん、いかがでしたか?」

アクエリアス「うむ、この甘さ、深み、素晴らしい逸品じゃ!!」

悠「え?」

スキュラ「こちらが私の知人、元人魚、現魔女のアクエリアスさんです」

悠「幼女じゃん」

アクエリアス「失敬な、良いか。わしは確かに「今は」この姿じゃが、本当はもっとそれはそれは美しい……」

悠「ホントにアレが元人魚で現魔女か?」

スキュラ「はい、本当ですよ」

サタン「確かに魔力は感じるのだ」

神姫「でも、どう見ても子供なんだけど」

アクエリアス「子供というな!こう見えてもわしはお主らよりも古くから生きているんじゃからな」

スキュラ「恐らく生きた長さでは私たちとも一角をなします」

悠「つまり、ロリばばぁ」

アクエリアス「こりゃ!乙女心が傷つくじゃろ!」

悠「だって婆さんだろ」

アクエリアス「乙女じゃ乙女!」
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