ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

スキュラ「サタン殿は無類のお酒好きでしたよね」

サタン「酒は大好きなのだ」
悠「ひとの肩に乗って話すのやめてくれませんかねぇ?」

摩耶「とは言いつつ?」

悠「頬にあたる太ももの感触はグッドだね!」

亘理『……』
グィーッ
悠「どんな角度からひとの頬を引っ張てるんだ!」

千世子「あんちん、サタンちゃん、亘理ちゃんのタワーができてるのだ。」

神姫「こういうシュールな絵画あるわね。」

摩耶「あるね」

サタン「それでどうしたのだ?」

スキュラ「はい、私の知り合いが魔界蟲の果実酒というものを探しているのですが」

サタン「…………」
悠「どうした?」

サタン「魔界蟲の果実酒はそーとー貴重な鮭なのだ。」

千世子「どんなお酒か想像できないのだ」

サタン「魔界では珍しい果実しか食べない種類の怪蟲が3種類だけいて、その蟲が三匹一緒に巣を作っている場所で蟲たちが齧った果実の汁と唾液が混ざって固まって巣から滴り落ちて毒や汚れが濾過され発酵されて数十年から数百年に一度取れる酒なのだ。」

悠「虫の唾液…」

サタン「害はないのだ。」

スキュラ「それをお持ちですか?」

サタン「も、ってないのだ」

悠「ああ、これはもってますわ。」

サタン「!!」

摩耶「嘘つきのプロは嘘を見抜くのも得意」

悠「へへっ」

千世子「微妙に褒められてないと思うのだ。」

サタン「…………」

悠「もってんだろ?」
ぺチペチ
サタン「あ、あるにはあるのだ。けど、我ももう最後の一本しかないのだ!」

スキュラ「少し分けていただけませんか?」

悠「いいよ」

サタン「なんで悠が答えるのだ!!」
ベシベシッ
悠「全部寄越せじゃなくて分けてくれって言ってるんだからいいだろ。」

スキュラ「そうしてくださると助かります」

サタン「ぐぬぬぬっ。わ、わかったのだ!けど、本当にちょっとだけなのだ。」

スキュラ「ありがとうございます。では、こちらの小瓶に一杯分だけお願いします。」

サタン「ちょと待ってるのだ」
タタッ…

悠「ふー、片が軽くなっ…」
亘理『……』
ストンッ
悠「なんでや!!」

スキュラ「悠さん、ありがとうございます。」

悠「いいよ。それで相手は前来てたインマウス系の人?」

スキュラ「いえ、元人魚の方です」

悠「元?」
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