ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/5/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

神姫「最近は暑いわね。」

悠「いやいや、まだまだ寒い。」

神姫「そのわりには普段より薄着になってるじゃない」

悠「中はヒートテックさ。」

神姫「じじくさ…」

悠「うっせ。」

花描「あはは」

悠「笑うなっーの」

千世子「ほい、じゃあじゅぎょーを始めるのだ」

【ウィッチドクター】
占いから雨乞いまで引き受けます

花描「ウィッチドクター…魔女医者?」

千世子「魔術的な儀式によって、病気やケガの治療を行う。それが「ウィッチドクター(呪医)」なのだ。広い意味では、医学的な根拠に基づかない医療を行う者は、みんな「ウィッチドクター」と呼ぶことになるのだ。昔の漢方医や鍼灸師もウィッチドクターの一部だったのだ。」

摩耶「じゃあ、悠くんや駒狸ちゃんの薬膳もウィッチドクターだね」

悠「そうなるな。」

千世子「太古の昔、まったく文明の発達していない時代でも、病気やケガを治す行為は必要だったのだ。そんな時代にも、ウィッチドクターと同じような魔術師・呪術師が存在したのだ。」

悠「石仮面をつくった民族だな。」

摩耶「悠くんのジョジョに対する愛はもうよくわかったよ。僕の負けです。」

悠「なんか知らんが勝った。」

千世子「ウィッチドクターは世界一古い魔術師の仲間ともいえるのだ。太古の昔から活躍していたウィッチドクターの仲間たちも、文明の進歩やさまざまな宗教の台頭によって、しだいに活躍の場が失われていったのだ。時代が進むにつれて、魔術的な儀式の主役は、ウィッチドクターからシャーマン、そしてほかの魔術師たちへと切り替わっていったのだ」

摩耶「携帯の新機種みたいだね。つぎつぎと新しいのが出てくる」

悠「あれは勘弁してほしい。人間の方が追い付かねぇよ。」

千世子「現在ウィッチドクターという用語を使うときは「文明が発達していない未開の地域や発展途上地域において、魔術的な儀式を行う者」を指すことか多いのだ。ウィッチドクターは今でも世界中の発展途上国に存在しているのだ。当然、地域によって文化はまったく異なるため、ウィッチドクターの形態も地域によって変わってくるのだ。」

花描「じゃあウィッチドクターはどんな人なんだ?」

千世子「ひと言に語るのは難しいのだ。多くのウィッチドクターは医者として活躍するだけでなく、住民のさまざまな問題を魔術で解決したり、地域社会の指導的立場を担っていたりするのだ。」

摩耶「ちょっとした便利屋みたいだね。」

千世子「それもあながち間違いじゃないのだ。以上、ウィッチドクターだったのだ。」
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