ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「AUのCMあるじゃん」

千世子「桃太郎と浦島太郎と金太郎の?」

悠「そうそう。アレ」

摩耶「アレがどうかしたの?」

悠「あのCM好き」

摩耶「……で?」

悠「それだけ」

神姫「イラッとした」

悠「なんで?!」

千世子「まぁまぁ」

神姫「特に落ちもない話をしてんじゃないわよ」

悠「日常会話なんてそんもんじゃないですか……」

摩耶「多分、悠くんだからだよ」

悠「そんな贔屓いらないわぁ」

サタン「皆、変なもの見つけたのだ。冥ちゃんがブチ切れてるのだ。」

摩耶「変な物」
チラッ
悠「こっちみんな」

千世子「変なのってなんなのだ?」

サタン「木?」

神姫「何で疑問形」

サタン「とにかく来るのだ」


~~

ある教室、樹木が床をぶち抜いて茂っている。その様子も奇妙だが、なにより樹木に実っている木の実、人の顔をしている実がなっているのだ。

悠「これは……ラッフルツリー?」

摩耶「それ、ロマサガのモンスター」

神姫「まぁ、似てるっちゃ似てるわね。」

冥「むーー!」

千世子「どうしてこんなことになってるのだ?」

冥「気がついたらこうなってましたナ!!」

悠「気がついたらこんなことになってるって怖いな。」

摩耶「悠君のところも気をつけないと畑がこんなことになってるかもしれないよ。」

悠「あそこはおれが毎日巡回してるから問題ない」

神姫「どうでもいいけど、この木って大丈夫なの?害とか」

冥「人面樹はとくに害はないですナ。ただ……」

『うふふ』『くすくす』『あはは』
『ひひひ』『きししっ』『おほほ』

悠「笑ってる」

千世子「笑ってるのだ」

冥「すごくうっとおしいんですナ」

悠「切り倒すか?」

冥「人面樹は実を全部落とすと枯れますから身を取って欲しいですナ」

悠「簡単じゃん」
ブチっ
『うぐぁっ!じ、じねぇー、のろっでやるぅぅぅ……』

「「「……」」」

冥「千切るとこういう風に恨みを吐いて萎れますナ」

悠「心にくるな」

神姫「じゃあ、悠頑張って」

摩耶「頑張って!」

千世子「あんちん、ガンバなのだ!」

サタン「ファイトなのだ!」

悠「人に押し付けていくスタイル」

冥「ちなみにその実、自体は食べられますナ」

悠「食いたくないわぁ」
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