ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/4/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

千世子「あんちん、あんちん」

悠「あー?」

千世子「あんちんはいつもiPodで何してるのだ?」

悠「何って音楽聞くか動画見るかだな。」

摩耶「あれ、アプリ入れてないの?Twitterとか」

悠「そういうのめんどい」

摩耶「そういわずやらない?フォローするよ?」

花描「摩耶君はTwitterしてるのか?」

摩耶「うん。」

悠「おれはいいよ。そういうの苦手だし。」

神姫「そういうのは共感もてるわ。」

悠「神姫はもう少し社交性持て」

千世子「ソーシャルネットワークもいいけど、じゅぎょーなのだ。」

【陰陽師】
平安文化とともに発展した日本の召喚師

花描「レッゴー陰陽師」

摩耶「悪霊退散、悪霊退散」

神姫「祓われてるわよ」

悠「誰が悪霊じゃい」

千世子「中国で発祥した呪術が日本に伝わり、独自の発展を遂げたものが陰陽道なのだ。そして、陰陽道の術を使うものが陰陽師と呼ばれるのだ。」

悠「陰陽師は映画面白かったな。けど、2はしなくてよかったかもな」

神姫「だいたいの映画は2になると落ちるでしょ。」

悠「ターミネーター2は当たりだっただろ。3は……」

千世子「陰陽道が日本で起こった時期は不明なのだ。奈良時代には朝廷の正式な役職として陰陽師が存在していたことが分かっているのだ。陰陽師は「占いによる未来予知」や「お祓いによる魔除け」といった一般的な魔術も使えるけど、やはりその代表といえば「式神の術」なのだ。」

悠「式神か…」

花描「ピエロ君は式神の部類だよな。」

神姫「私の下僕よ」

悠「ちげぇよ。」

摩耶「あ、けど悠くんが手を叩いたらでこちゃんとか召喚できるんじゃない?」

悠「飼い犬じゃないんだから…」

千世子「陰陽師の使う式神には、大きく分けて二種類あるのだ。ひとつめは「紙片などの無機的な物体に命を吹き込み、思いどうりに操る」という術なのだ。スタジオジブリの映画「千と千尋の神隠し」で、銭婆が人型の紙片を操るシーンが登場するのだ。あれはまさに陰陽師の使う式神と同じものといえるのだ。」

摩耶「中国でいう「剪紙成兵法」って術だね。」

千世子「そしてもうひとつの式神が「異界の鬼神を現実世界に召喚して、思い通りに使役する」というものなのだ。」

悠「アルファシステム社のシューティングゲーム「」式神の城」シリーズに登場する式神は、まさに「陰陽師が使役する式神」と同じだな。」

千世子「陰陽師のじゅぎょーは以上なのだ。次回はウィッチドクターなのだ。」
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