ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
 
行商人『ハイハイ、オ兄サン方モ何カ如何デスカ?』

悠「といっても、うかつに買っていいものかどうか」

行商人『欲シイモノヲ言ッテクレレバ要望ニアッタモノヲ出スヨ』

Q子『エロいものを!エロいものをくださいっ!』

千世子「淫霊が湧いたのだ」

行商人『コレデドウヨ』
スッ
【鉢植え】

悠「まさか媚薬になる植物とか…」

行商人『オオイヌノフグリ』

Q子『ひゃっほーい!オオイヌノフグリ!エッローい!』

神姫「何でも有りなのね。」

悠「何でも過ぎるだろ…」

千世子「オオイヌノフグリってなんなのだ?」

摩耶「果実の形状が雄犬の「フグリ」つまり陰嚢に似ているから名付けられた植物だよ」

千世子「わー…」

スキュラ「海水ありますか?」

行商人『アルヨ。死海産ノナラ』

スキュラ「では、それをひと瓶ください。お題は毒液でいいですか?」

行商人『イイヨ。毎度』

悠「塩水なんかどうすんだ?」

スキュラ「飲みます」

亘理『うわぉっ……。』

神姫「危なくなくて面白いものってある?」

行商人『……』

神姫「なに?」

行商人『イヤ、失礼。オ嬢サンカラハ珍シイ波動ヲ感ジテネ。』

神姫「珍しい?」

行商人『エエ、私ハ商売柄トイウカ占イ等ニモ精通シテイマス。ソノ人ノ持ツオーラ、波動ガ見エマス。千差万別デスガ、オ嬢サンノ色ハ珍シイ。赤、橙、蒼、碧、灰……イクツモ色ガ見エマス』

神姫「……そう。」

悠「龍剄の色か。なら、おれは何色だ?」

行商人『……エ?』

悠「なんだよ」

行商人『貴方ノ色ハ……ナントイウカ』

悠「口ごもられる色ってなんだ?!」

摩耶「それだけ汚れてるとか」

悠「失敬な!!」

Q子『真っピンクでしょう!!』

行商人『イエ、失礼シマシタ。私ノ口カラ言エルノハマーブルカラートイウ事ダ』

悠「マーブルって……縞パン?」

神姫「ドン引きだわ」

亘理『悠ちゃん!』

悠「いやいや、そんな事言われましても!!」

行商人『……』

冥「どんな色だったんですナ?」

行商人『イッタ通リ、マーブルダヨ。タダシ無数ノ色ガ渦巻イテイル。ソノ渦中デ黒ト灰、ソノ二色ガヨリ深ク結ビツイテイル。実ニ数奇ナ運命ノ持チ主デショウ』
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