ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー生徒会室前ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「一応、実力はある口か?」

摩耶「まぁ、本人たちは回避してたもんね。本人たちは」

一成「フッ、こそこそ隠れているつもりだ。貴様ら」

悠「むっ」

七緒「我々を追ってきたなら堂々と入ってきたら……どうだね?」

M字開脚のままW眼鏡は待ち構えている。

悠「気づいてんならM字開脚をやめろ!」

七緒「ふむ…のこのこ敵地へ赴いてくるとは」

一成「よほどの馬鹿か自信家か」

摩耶「敵地というか校舎内こそが君らの敵地のど真ん中なんだけどね。」

神姫「口ぶりだけをとるなら普通の学生じゃないっぽいわね。なにもの?」

一成「ふっ、我々草部と塚地は代々大葉のものを守護する「大葉守(おおばのもり)」の血筋、5歳で二人修行の旅、10で生死をとした試験を乗り越え15でようやくその名を受けた」

七緒「一切の魑魅殲滅を目標とする大葉の手となり策動するが我ら大葉守の務め……寧々さまには指一本触れさせん!」

悠「主人公より細かい設定をつけるな!!」

神姫「どうでもいいけどうるさいから早く済ませて」

悠「アッハイ。よし、亘理!念動力で縄を操って奴らを縛り上げろ!」

摩耶「セリフが悪役」

亘理『でぇーい!』

雨の糸を紡いでできた特製ロープが一成と七緒目がけ伸びていく。

一成「むっ!」

七緒「我々の動きを追ってくるぞ!」

一成「寧々さま危険です動かないでください!」
!
七緒「この紐は我々が動き回って引きつけます!」

文字通りの素早い動きで縄を避け続ける二人。

亘理『あ、悠ちゃん、長さが足りない!』

七緒「ふぅ、危ないところだった」

一成「おっと無我夢中で避けているうちに偶然寧々さまが菱縄縛りの型に!」

寧々「きゃああぁぁぁーー!」

一成&七緒「「…貴様ら…」」

悠「なんだその態度!今のはどうみてもおれらのせいじゃないだろ!!」

七緒「大葉守必殺技の一」

一成「THE・人のせい!」

悠「なん……だと?」

神姫「殺していい?」

千世子「ねーちん、どうか穏便に……」

摩耶「まぁ、なんであれそっちのボスは捕まえたし僕らの勝ちじゃない?」

一成「なにをいうか!」

七緒「この菱縄縛りは偶然をよそおって我々が計画通りにうびいた結果だ!」

寧々「アンタらやっぱりぃ!くっ、なんたる屈辱!もとはといえばアンタ達さえいなければこんなこしには…!」

悠「すっげぇ責任転嫁」

寧々「私を完全に敵に回したからね!おぼえてらっしゃい!わーん!」

一成「わーん」
七緒「わーん」

悠「…………逃げていったな」

摩耶「色々と濃い面子だったね」

神姫「というか、あの寧々って子の本当の敵はあの一成と七緒じゃない?」

冥「なんか可愛そうだったからこの教室は貸してあげることにしますナ」
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