ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/2/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

神姫「……」

悠「なにしてんだ?」

神姫「ぷよぷよ!!よ。」

摩耶「なつかしいのから新しいのまで全15種類のルールがあるやつだよね」

花描「けど、ひとりでやるか?」

神姫「ほっといて」

悠「対戦しようぜ」

神姫「いや。」

悠「即答かよ…」

千世子「あんちんにおじゃまぷよが落ちたところでじゅぎょー開始なのだ。先日の続きで錬金術師なのだ」

悠「誰におじゃまぷよが落ちただと」

神姫「連鎖で消してあげるわよ。」

悠「やめてください。」

千世子「錬金術師の仕事は「研究」または「薬やアイテムの製造」が本質なのだ。他の魔術師とは違って、錬金術師自身が指先から炎を飛ばしたり、離れた場所にいる他人に呪いをかけたりできるわけではないのだ。ひたすら研究室に引き込もって、薬の研究、製造を行うだけなのだ。」

悠「マッドサイエンティストみたいだな。あ、ミハイルも似たようなもんか…」

千世子「もしも研究の結果「不老不死の薬」が完成したら、錬金術師は薬の効果を証明するために、何十年もの時間をかけて「実際に年を取らずにいつまでも健康でいる」ことを示さなければならないのだ。」

摩耶「引きこもり生活はかわらないわけだね。」

神姫「引きこもってる方が不健康になりかねないわね。」

悠「いや、ゲームさえあれば引きこもれますが?」

神姫「穀潰しのクソニートが」

悠「わりと本気なレベルで傷つくひとことだな。」

摩耶「容赦がないね。」

千世子「あるいは、人工生命「ホムンクルス」が完成した場合も、それが実際に役に立つかどうかはわからないのだ。さらにいえば、実際にホムンクルスの製造に成功したとしても、「ホムンクルスが人間の指示を聞いてくれるか?」というものは、また別問題なのだ。」

悠「ホムンクルスじゃないが、ゆうは揺光が生み出したから人工生命にあたるのか?」

摩耶「いやぁ、あれはまんま悠君の女バージョンだと思うよ。」

花描「ドッペルゲンガーだったりして」

悠「おれ死ぬじゃん」

神姫「同一空間に同じ性質量の物が存在すると法則が崩れるアレね。」

悠「大統領のスタンドでも似たようなことが起こるしな。」

千世子「役に立つかどうかも分からない、研究をいつまでも続ける変わり者、それが錬金術師なのだ。」

悠「役に立たないものしか作らない厄介者もいるけどな」

神姫「悠の知り合いはそんなんばっかりなの?」

悠「……」

花描「否定か、せめて言い訳でもしろよ」

悠「おれは魔女のゲームでも挑む自信はあるが……これを否定することは無理だ。」
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