ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー廃校:廊下ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「あ、冥ちゃんこんばんわなのだ。」

冥「はい、こんばんわですナ。今日も暑いですナ」

千世子「暑いのだ。でも、梅雨が明けたらしいのだ。」

冥「ああ、それはいいことですな。湿度がなかったら大分違いますナ。」

美兎「おっ、ばんわ。」

千世子「こんばんわなのだ。」

冥「こんばんわですナ。お仕事の進みはいかがですナ?」

美兎「ぼちぼちってところね。それより義鷹がウロウロしてるけどなんかあった?」

冥「いえ、特には聞いてませんナ」

美兎「そう?まぁ、普段からジッとはしてない奴だけどね。」

冥「フラッとでていってフラッと帰ってきてる感じですナ」

千世子「あんちんと同じなのだ。」

美兎「あぁ…」

冥「確かにですナ…」

美兎「そういえばアンタらはなにしてんの?」

冥「私は花子さんの出迎えですナ」

千世子「教室に向かってるところなのだ」

美兎「花子……ちょくちょくきてるわね。」

冥「ここらで一番妖怪幽霊が集まってるのがここですからナ。」

千世子「学校妖怪会議ってやつなのだ」

美兎「夏だから怪談に気合でも入れるのかしら。ま、なんか面白そうなことになったらよっていくわ」

冥「あまり暴れたりするのは困りますナ」

美兎「暴れるとしたらわたしじゃないし。」

千世子「主にあんちんなのだ。」

冥「ナ゛ァー」

美兎「すっごい声でてるわよ」

花子『あ、居た』

冥「ナ゛ァー」

花子『なんだ!?』

千世子「怒りのデスボイスなのだ」

花子『化物のデスボイスってなんだ…』

テケテケ「ふむ、いきなりそういう叫びが聞こえたら恐ろしいかもしれないな」

千世子「花子さんとテケテケさんこんばんわなのだ。」

テケテケ「ああ、人間の少女よ久しいな。」

花子『おう』

テケテケ「しかし……我々としては平然とされていると少々複雑な気分になる。」

千世子「ここにいる人間は大抵そうなのだ。」

花子『少しくらい怖がれよ』

千世子「そういわれても……いきなり顔が縦に割れて喰らいついてきたり、得体の知れない胃液と触手を振りまいたりしないと怖くないのだ」

花子『なんじゃその化け物は…』

千世子「鵺と邪神なのだ」

テケテケ「伝説級の妖怪とコズミックホラー相手ではいくら我々でも分が悪いな」

冥「トイレの花子さんとテケテケさんも充分メジャーな妖怪ですナ」
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