ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ふー……エアコン取り付けたぁ……」
ドロドロ

摩耶「汗と埃にまみれてるね」

神姫「汚い」

悠「頑張ったおれに対しての第一声が「汚い」って……さすがに心に響く」

亘理『お、お疲れさま!』

悠「シクシク」

千世子「とりあえず動くかどうか試すのだ。」

悠「そうだな」
ピッ

ブォォォっ!

亘理『あ、すごい動いてる』

悠「そりや動くさ」

神姫「けど、随分と大型ね。」

悠「イイ値段するだろうなこれ」

冥「大丈夫ですナ」

悠「おっ、管理人ちゃん」

冥「掘り出し物だからお安いですナ」

千世子「どういう掘りだしなのだ?」

冥「……にこっ」

悠「黙って微笑んでる。」

神姫「本当に大丈夫なのかしら」

冥「大丈夫ですナ」

悠「言い切ったが果たして……」

摩耶「怪しい感じとかする?」

サタン「別に怪しい気配とかはないのだ。」

悠「じゃあ大丈夫か」

摩耶「そうかなぁ」

亘理『でも涼しぃー』

ゴオォォォー!

ベヒモス「涼しいけど……ちょっと風強すぎないモス?」

悠「おかしいな。風量そこまで強くしてないが」

冥「……」
ススッ

摩耶「冥ちゃんが静かに退室しようとしている。」

悠「ぬるっと捕獲」
ぬるっ!
冥「ぎゃっ!」

悠「ほーれほーれ」
ぬるーりぬるーり
冥「ぎにゃーー!」
Q子『…………』

摩耶「いつのまにか淫霊も絡みついている」

神姫「化け物が二匹」

亘理『うわぁ…』

スキュラ「絡み合ってますね。」

冥「やーめーるーナーー!」
ゴオっ!!
悠「ぐはっ!妖気で吹っ飛ばされた!?」

冥「フーフー!」
Q子『絡み絡み絡み絡み』

摩耶「ホンマ物は未だにへばりついてる」

悠「夏は淫霊の季節……かっ」

神姫「どんな季節よ」

冥「ええい、離れるのナ!」
ドッ!
Q子『うひょひょひょーー!』

悠「幽霊は物理が効かないの見本だな」

神姫「それで結局何を隠してるの?」

冥「……じつはあのエアコンすごい気まぐれなのナ」

悠「気まぐれ?」

冥「感度が良すぎるというか意思があるというか……」

悠「それもうほぼ妖怪エアコンだな」

摩耶「でも、機械だよね」

悠「じやあ、ターミネーター」

神姫「アンドロイドとかいいなさいよ」

ゴオォッ……スゥッ

亘理『あ、悠ちゃんが変なこと言うから止まった』

悠「ホワッイ!?」
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