ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー廊下ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「エアコン居るなこの暑さ」

千世子「それ前から言ってるのだ」

神姫「前から言ってるわね」

摩耶「なんだったら毎年言ってるね」

悠「またぁ、なんかおれが悪いみたいに」

摩耶「悪くはないよ、たぶん」

悠「多分?」

摩耶「多分」

サタン「そんな暑かったらオーラで熱を遮断すればいいのだ」

悠「無理」

スキュラ「でしたら粘液で身体を覆うのはいかがですか?」

悠「無理2」

ベヒモス「装甲で熱遮断モス」

悠「お前の鱗だか甲羅だか知らんが遮断できんのか?」

ベヒモス「摂氏1200度までは耐えられるモス」

亘理『摂氏1200度ってどれぐらい熱いの?』

千世子「マグマとおなじなのだ」

亘理『うわおっ』

サタン「ベヒモスはそもそも溶岩の中を泳いでも平気なのだ。」

悠「ここらにいる奴らは暑さが苦にならねぇ奴らばっかりだな……」

亘理『私は辛いけどね。天井下ってたら汗が落ちちゃうし』

千世子「それは辛そうなのだ」

神姫「天井にぶら下がらなければいいのに」

悠「癖ってか生理現象なんだろう」

神姫「妖怪の生態調査もいいけど今の問題はこの暑さのほうよ。」

摩耶「冥ちゃんに話してみた?」

悠「工事を自分でするならエアコンは買ってくれるっていってた」

摩耶「悠君」

悠「待て待て、いくらおれが万能でもエアコンのとりつけは……できなくもないか」

亘理『できなくもないの?!』

悠「家の魔王……もとい、真桜エアコンはおれが無理やりつけたからな。だから非常識な着け方になってるんだが。」

神姫「へえ、やるじゃない。無茶苦茶でもエアコンを設置できるとか見直したわ。五ミリくらい」

悠「ミリ単位…」

亘理『じゃあ、悠ちゃんが頑張ればいいんだね!』

悠「頑張ればっていうけど自分で着けるとなると色々といるからな」

千世子「色々ってどんなものなのだ?」

悠「えーと…………」

サタン「長考しはじめたのだ。」

千世子「しはじめたのだ。」

悠「……うん、電動ドリル、振動ドリル、スパナ14mmと17mmそれとモンキーレンチ。あとはブロック数個、コンクリート・ドリルの刃先、コンクリート・ビス(ブロック取り付け用)、ビニールパイプ(ドレン延長用)、灯油ポンプ(逆流防止弁用)だな。パイプ距離とかにもよるがエアコンと室外機代を抜いて最安値で維持用のものをそろえようと思えば……1万円あれば何とかなるかな。」

摩耶「あとは悠君のガッツか」

神姫「そうね」

悠「うんまぁ、そうね……」
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