ｰ廊下ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「おっ、なんかいい風はいってるじゃん」

摩耶「校庭中に水撒いたらしいよ」

悠「打ち水か……誰が?」

亘理『義鷹だよ』

悠「ああ、妖怪としては凶悪だけどここの住人の中では割とまともな義鷹の仕事だったら安心だ」

神姫「悠を筆頭にまともじゃないのが多いものね。」

悠「アイアムヒューマン」

サタン「風が気持ちいいのだー!」
バサササッ!

千世子「サタンちゃんは吹いてる風じゃない風を纏っているのだ」

悠「なんでホットパンツなんだ……。こういう時はスカートだろ」

摩耶「ホットパンツは嫌い?」

悠「めっちゃ好き」

神姫「死ねばいいのに」

悠「ドストレートに言われた、どうしたらいい?」

摩耶「笑えよ」

悠「あーっはははははっ!」

神姫「チッ」

悠「舌打ちはいったからやめとこ」

亘理『悠ちゃんは夏になるとほんと元気だね』

悠「サマータイムだぜ!」

千世子「暑いのだ」

悠「暑いときは怪談だろ!ここをどこだと思ってるんだ!」

千世子「怪談ていうけど……リアル妖怪悪魔etcだらけなのだ」

摩耶「確かに生妖怪いるもんね」

亘理『むしろ私たちが涼しくなりたいよ』

悠「怪談で?」

亘理『いや、そこにこだわりはないけど』

神姫「妖怪が怪談で怖がるの?」

悠「んー、どうなん?」

亘理『えっ、えーと、スプラッタ系の話はゾッとするかな』

スキュラ「私は話を聞いてゾッとするというのはあまりないかもしれません。」

ベヒモス「お腹がすくのは怖いモス」

悠「……サタンは?」

サタン「フハハハッ!我が恐怖の大魔王なのだ!」

悠「色んな意味で相手が悪かっなこれ」

摩耶「まぁ、心情的にゾッとするより物理的に涼しい風が欲しいよね。」

悠「そうだ。水浴び!水浴びだ!みんな脱げ!」

神姫「……」
ドスッ!
悠「ヴっ!」

亘理『悠ちゃんてホント反省しないよね』

摩耶「一部的に学習能力が皆無だからね」

サタン「そもそも水浴びする場所がないのだ」

悠「ビニールプールとか」

神姫「そんなことしたら今度は顔どころか全身を引っ掻かれるわよ」

悠「ひぇっ!」

千世子「エアコン着けてもらうようにおねだりするのが得策なのだ。」

悠「だれが?」

摩耶「ここは悠君のネゴシェーションの見せ所だね。」

悠「脱いでくれって頼んでも断られるのに」

亘理『それ、意味が違うからね』