ｰ廊下ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「そっち押さえてくれ」

摩耶「あいよー」

悠「よいしょっと」
コンコン

摩耶「適度にいい板があってよかったね。」

悠「まったくだ。けど……」

摩耶「けど?」

悠「この板、なんか汁が渇いたあとついてたよな。」

摩耶「ついてたね。なんかこう……血が渇いたような滲みね」

悠「……」

摩耶「……」

悠「……」
コンコンコンコン

摩耶「なにかを誤魔化すような早打ち」

悠「深く考えたくないのさ」

摩耶「なるほどね」

メフィスト「おや、なにをシてるんデースか?」

悠「ああ、柱えぐったところの修復」

メフィスト「ご苦労さまデース」

摩耶「メフィさんは何を?」

メフィスト「ムフフフッ」

悠「その笑い。ロクなことじゃないな」

メフィスト「聞きたいデスか!そーデスか!」

摩耶「何も言ってないけどね」

悠「聞きたくないっていっとけ」

メフィスト「これなのデース!」
バーン!
【壺】

悠「壺?」

摩耶「壺っぽいね」

メフィスト「そう壺デス。もちろんただの壺デは無いデスよ。この壺はデスね!」

悠「いや、いいから。ちょっとあと一息だから先こっち終わらさせて」
コンコンッ!

メフィスト「魔物の坩壺(るつぼ)なのデス」

摩耶「魔物の坩堝(るつぼ)?」

メフィスト「坩「壺」デス。」

摩耶「へー。で、なんなの?」

メフィスト「実際に見せてみマシょう。血液をいただけマスか?」

摩耶「いただけませんよ」

メフィスト「チッ……では、この辺の塵芥を」パララ
【魔物の坩壺】

摩耶「で?」

メフィスト「この壺に衝撃を加えてください」

摩耶「叩けばいいの?」

メフィスト「お好きにデース」

摩耶「じゃあ……破っ!」
ズドッ!
【魔物の坩壺】
どばっ!

餓鬼『ギー!』×10
餓鬼『ギー!』×10
餓鬼『ギー!』×10

メフィスト「おー!なかなかデマシたね!」

摩耶「わー、なにこれキモイ」

メフィスト「この壺は中に入れたものと加えた衝撃によって魔物を吹きだす壺なのデス!今入れたのは塵なのデ、餓鬼や下級の魔物シか出ないデスが、この数は流石デスね!」

摩耶「へー。で、この餓鬼はどうなるの?」

メフィスト「魔物なのデ襲ってきマスよ。倒してくださいDEATH」

摩耶「わー、性質が悪い」

悠「ふぅ、終わった。それでどうしたって?」
餓鬼『ガブッ!』餓鬼『ガジッ!』餓鬼『ガリッ!』

摩耶「わぁ、すばしっこい」
ドスッ!ゴスッ!
餓鬼『ぎゃっ!』餓鬼『ギー!』