ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー廊下ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「おっかしいなぁ」

摩耶「悠君の顔?」

亘理『網戸レベルで搔かれてるね顔』

悠「前が見えねぇ……じゃなくて、なんでこの柱だけ直らないんだろうな」

摩耶「さすがにごっそり取りすぎたんじゃない?」

悠「窓が割れてるくらいなら直っても柱一本は直らないってことか?」

神姫「擦りむいた傷は治っても、骨を引っこ抜かれたら治らないでしょ」

悠「……なるほど、一理あるか」

亘理『直らないから冥ちゃんもキレてるわけだしね。』

悠「直さないとこのままだとおれの顔が千切りになってしまうな」

神姫「直すってどうするつもりよ」

悠「どうしよう」

摩耶「とりあえず柱の代わりになるもの詰める、とか」

悠「それだ!」

亘理『それだって何詰めるつもり?』

悠「……ミンチ?」

神姫「ソーセージ作ってんじゃないのよ。次面白くなくふざけたら殺すから」

悠「ひぇっ!」

摩耶「面白かったらふざけていいんだよ」

悠「なるほど、じやあハジケリストるおれは存在が面白いからふざけててオッケーだな」

神姫「顔中にキンカンぬるわよ」

悠「真面目にしよう」

亘理『想像しただけで滲みちゃう……』

千世子「あんちん達なにしてるのだ?」

悠「おう、ここに何か詰めようかと考えてるんだけど何がいいか考えてるんだ」

千世子「レンガ」

悠「レンガか。それでいいか」

摩耶「コンクリートブロックのが良くない?」

悠「あー、それでもいいな」

神姫「外観ぶち壊しね。」

亘理『ブロックを詰めてベニヤ板で囲うとか』

悠「もっと強度をつけたいな……ベヒモスの装甲で囲うってのはどうだろうか」

摩耶「ここの入るように加工するのが無茶だと思う」

悠「オリハルコン製の道具が必要だろうな」

神姫「いいからとりあえず板でも打ちつけときなさいよ。」

悠「はい」

千世子「素直なのだ」

亘理『顔にキンカン塗られるのは怖いらしいね』

悠「摩耶、そこらから板集めてきてくれるか。おれ道具探してくるから」

摩耶「オッケー。冥ちゃんと顔合わせ無いようにね」

悠「エンカウントとのたびに引っかかれるのはマジ勘弁……。」

神姫「私たちは教室いきましょ」

千世子「そうするのだ。」
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