ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あぢーなぁー」

摩耶「今日は夏日全開だったもんね。」

悠「熱中症になるわ。誰かつめたいものー」

神姫「頸動脈押えたらいいの?」

悠「それ、冷たいものじゃなくて冷たくなっていくもの」

亘理『そういえばこの中で冷たい能力持ちっていないよね。』

千世子「というか、能力訳したらバラバラなのだ」

悠「サタンは闇と炎、スキュラは闇と毒と水、ベヒモスは大地と力……」

摩耶「百歩譲ってスキュラさんの水がひんやり系かな」

スキュラ「ですが、私の水部分は毒液や水圧弾の類ですからね。」

神姫「毒液をかぶれば涼しくなるんじゃない?」

悠「だからそれ冷たくなってしまう系」

千世子「メフィストさんなら涼しくできそうなのだ」

悠「アレは万能属性だしな。でも涼しくなるかわりに雪男召喚するとかしそうだからダメだな」

義鷹「雪男より雪女だな。冷気量が違う」

悠「義鷹……どっからでて、あっ、窓か」

亘理『冷気量って?』

義鷹「雪男は分厚い脂肪と体毛で防寒には優れてる。それに対して雪女は全身が冷気や雪、氷で出来てる。だから冷やすって意味なら雪女のほうがいい。ま、夏日のなかに雪女なんて呼んだら溶けるだろうけどな」

摩耶「処刑だね」

悠「じゃあ、義鷹が冷たくしてくれよ」

義鷹「じゃあの意味が分からん。」

千世子「義鷹さんは何属性なのだ?」

義鷹「……」

スキュラ「鵺といえば正体不明が属性じゃないでしょうか?」

悠「雷じゃね?」

義鷹「はんっ、属性だと?俺はあらゆる妖怪を食ってきたんだぞ。できないことはない。」

悠「じゃあ、氷の塊くれ」

義鷹「…………ふっ」
どごぉぉっ!
悠「ええっ……」

摩耶「見事な氷塊」

亘理『ゆゆゆゆ悠ちゃん、大丈夫?』

神姫「落ち付きなさい」

悠「……これどうやって出したんだ?」

義鷹「そこら辺の水分を凝縮して凍らせた」

悠「不純物は?」

義鷹「それが混じったら硬度が下がる。」

悠「ってことは純粋な氷か。よし、かき氷にしよう!!」

摩耶「かき氷いいね」

悠「亘理、管理人ちゃんにシロップと皿もらってきてくれ。」

亘理『ガッテン!!』

千世子「かき氷機はどうするのだ?」

悠「ベヒモスに砕いてもらえばいい。」

摩耶「かき氷っていうか、かち割り氷だね」
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