ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

サタン「こんなの拾ったのだ。」
スッ

千世子「サイコロなのだ?」

悠「サイコロ?よし、オイチョカブやろうぜ!」

神姫「それ、花札でしょ」

悠「てへぺろ☆」

神姫「……」
パァン!パァン!
悠「左右一発づつぶたれた」

摩耶「まぁ、仕方ないね」

スキュラ「サイコロを使う遊びはチンチロじゃないでしょうか」

サタン「チンチラ?」

摩耶「それはげっ歯類」

悠「ちょっとドキッとした」

亘理『なんで?』

摩耶「ヒント、チンチ……」

亘理『……』
ひゅん、ゲシッ!
悠「おい、降下蹴りはやめろ。ものすっごく痛い」

神姫「頸椎が折れればいいのに」

悠「良くないですー!折れないですぅー!」

神姫「……」
パンッ!パンッ!パァンッ!
悠「三発?!」

サタン「チンチラってどうやるのだ?」

摩耶「チンチロね」

千世子「お椀にサイコロを三つ転がして出目を競うのだ。」

サタン「じゃあ、あと二つ足りないのだ。」

悠「サイコロなら持ってるぞ」
じゃらじゃら

亘理『なんで?』

悠「いつでも遊べるように。あと、コインとかマグネット将棋の駒とかある」

神姫「これでもかってぐらいの遊び人ね。」

悠「にひっ」

神姫「……」
スッ

悠「もうぶたないで!」

摩耶「……というか、このサタンちゃんがもってきたサイコロ文字が書いてあるよ」

悠「あ、ホントだ。」

サタン「じゃあ、それいらないから普通のサイコロ三つ貸してなのだ。」

悠「はいはい、どうぞ」

サタン「よーし、チンタラやるのだ!」

千世子「チンチロなのだ。」

悠「まったく子供なんだから」

摩耶「悠君が言うに値しないセリフベスト10に入るね」

悠「おれは確かに永遠のピーターパンだが18以上の精神なんだよ」

摩耶「……」

悠「無言はやめろぉー」

摩耶「で、ダイスに何が書いてあるの?」

悠「「当」と「外」の字だな」

摩耶「ふーん、当たりと外れかな?」

悠「振ってみるか」

摩耶「押すなって書いてあるボタン押すタイプだよね」

悠「照れるぜ」
ポイッ、ころろっ……【当】

摩耶「当たりだね」

ちゃりん!
悠「え、あ、10円」

摩耶「当たりで10円?」

悠「しょぼいなー。もう一回」
ころろっ……【当】

ちゃりん!
悠「20円……倍になった?」

摩耶「ってことは、次振って当たれば40円?」

悠「なかなか面白いな。もう一回……」

神姫「やめときなさいよ。」

悠「え?」

神姫「当たりで倍になってるみたいだけど外れたらどうなるか分かったもんじゃないわよ。」
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