ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「今日は雨か」

摩耶「細い雨だけどね」

神姫「でも、こういう中途半端な雨は夜を冷やして昼を暑くさせるのよね」

悠「汗濡れ系女子……いいね!」

亘理『悠ちゃん、変態っぽい』

神姫「今さらでしょ」

千世子「前回の続きからで管狐は「家に憑く妖怪」としての側面が非常に強いのだ。だがもともと管狐は「修験道」という宗教の修行者である「山伏」の持ち物だったのだ。」

悠「変態じゃない!健全ですぅ!」

サタン「そうは思えないのだ」

悠「お前の格好にはいわれたくねぇ!!」

サタン「どういう意味なのだ!!」

神姫「そのままでしょ」

千世子「修験道の山伏たちは、山梨県の金鋒山や、奈良の大峰山といった、山伏に官位を出す主要な山寺から管狐を授かるのだ。こうした山伏たちは狐使い、または管使いと呼ばれ、自在に管狐を使役する人々に信じられていたのだ。個の山伏たちは一種の見世物のように管狐を扱ったらしく、呪文を唱えてから問いかけると、竹筒の中から返事が聞こえてきたという証言が残っているのだ。この見世物は、主に人々の吉凶を占うもので有ったようなのだ。」

摩耶「まぁ、肌色はいちばんサタンちゃんが多いよね」

サタン「我は寒さも暑さも関係ないのだ!」

悠「寒さが平気なのは超うらやましい」

神姫「厚着しときなさいよ」

悠「ふにゃん」

千世子「飯綱は北海道、東北から関東でいう憑き物で、エヅナ、イジナとも呼ばれており、その姿は小さなネズミのような狐であるというのだ。自主的に動くことは少なく、人に使役され、人に憑りついて害をなす、修験道の修行者がこれを使って不思議な法を用いるなど、管狐と特製が非常に似て居るため混同されがちなのだが、最も大きく異なる点はその由来なのだ。」

神姫「殴っていいのよね?」

悠「ふぁっ!?」

摩耶「狐っていえば揺光さんだよね」

悠「あれは狐ってレベルじゃないけどな」

サタン「尻尾は狐なのだ」

千世子「この飯綱という名前は、課の戦国武将、上杉謙信にも先勝の神として信仰されていた飯綱大権現のことで、仏教における神、荼枳尼天にも通じる、神の管理下にある狐の精なのだ。つまり、飯綱大権現を信奉する行者が持ち、その管理のもとに使役される妖怪が「飯綱」と呼ばれるのだ。飯綱を使役する行者は飯綱使いと呼ばれ、妖術使いとして畏怖されたというのだ。」

悠「あのモフモフは凶器」

ベヒモス「僕の尻尾もゴッゴッモス」
ブォン!

摩耶「リアル凶器だね」

悠「フルスイングで敵を一掃だね」

サタン「尻尾があると便利そうなのだ。」

千世子「ただしまぎらわしいことに、飯綱大権現に管理されていない、単独で活動して人に憑く妖怪を「飯綱」と呼ぶ場合もあるのだ。由来の違いはあくまで目安と考えておいたほうがいいだろうなのだ。」

スキュラ「触手も便利ですよ」

悠「手足以外の武器があるのは強みだな」

摩耶「悠君も股間にあるじゃない」

悠「これは武器じゃなくて宝物だから」

神姫「……」
パァン!
悠「平手?!」

千世子「狐の姿をした憑き物には、自らの意思で人や家に取り憑き害をなすものもいるのだ。尾裂きという意味で「オサキ狐」と呼ばれるそれらの妖怪は、関東地方西部、長野、新潟などの地方で江戸時代中期ごろから語られるようになったのだ。その姿はイタチとネズミ、あるいは梟とネズミの雑種で、色は茶色化オレンジ系であることが多いのだ。オサキに取り憑かれたものは、いわゆる「狐憑き」と呼ばれる状態になり、発熱、異常な興奮、大食、奇行などの症状が現れるというのだ。以上、管狐と飯綱のじゅぎょーだったのだ。」
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