ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー廊下ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ここのトイレは普通に不気味だよな」

摩耶「古い、暗い、木造だしね」

悠「なのに汚れはなくて、空気が淀んでないアンバランス」

摩耶「まぁ、汚いよりはいいけどね」

悠「それもそうか。ただ、こううやって摩耶と連れションすると摩耶が男だと再確認させられる。」

摩耶「え、ぶっ飛ばされたいて?」

悠「いってないわぁー」

摩耶「いってるようなもんでしょ。もし西部だったら縛り首で市中引きまわしだよ」

悠「マジかぁ」

摩耶「マジマジ」

悠「じゃあ、戦国時代だったら?」

摩耶「兜割り」

悠「ただ、ただ、真っ二つ」

摩耶「あれっ?」

悠「なんだ?」

摩耶「アレなんだろう」

石『……』

悠「石……だな」

摩耶「さっきこんなのなかったよね」

悠「なかったな、管理人ちゃんが漬物石を置き忘れたとか」

摩耶「こんな廊下のど真ん中に?」

悠「……どうしようか?」

摩耶「悠君が前を進んで、僕がその後ろにつく」

悠「いわゆるライフシールドの陣形だな。盾になれってことですねわかります。」
コッ
石『……』

摩耶「じゃあ、僕が前に出る?」

悠「まぁ、回避力と受け流しの技術を考えたら摩耶の方が適任だが……仕方ない、おれが前に出よう。」

摩耶「あれ、石は?」

悠「え?」

摩耶「……上っ!」

悠「おっ?!」

石『……』
ズドンッ!

悠「あぶねぇ!」

摩耶「ただの石じゃないっポイね。確実に」

石『……』

悠「……あれ、動かなくなったな」

摩耶「油断させてるんじゃない?」

悠「よいしょっ」
ひょい
石『……』

摩耶「普通に持ちあげたね」

悠「ふーむ、別段……普通の石だな」

摩耶「明らかに動いてたけどね」

悠「摩耶、窓開けてくれ」

摩耶「はい」
スッ

悠「せぃっ!!」
ブォン!
ひゅーーん!

摩耶「飛んだねぇ。」

悠「これで良し」

メフィスト「おっかシいデスねー。」

摩耶「あ、メフィさん。こんにちは」

メフィスト「ああ、摩耶さん、悠さん、どうもデース」

悠「また何かやらかしたのか?」

メフィスト「No、No、私は羽石を探しているのデース」

悠「……はねいし?」

メフィスト「珍しいストーンで、衝撃が加わると跳ね上がるのデース」

摩耶「……」

悠「……」

メフィスト「さっきそこで転んでシまって四方八方に跳ね飛んでいってシまったデース。このあたりに落ちてませんデシたか?」

悠「……おれの見間違いじゃなかったら、そこの窓から何かが飛んでいくのを見た気がする」

メフィスト「ワッツ!?オーマイゴット!!」
ダダッ

悠「……まぁ、自業自得ってことで」

摩耶「それよりも、悪魔がオーマイゴット?」
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