ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「今日は薄曇りだったな」

摩耶「そだねー。明日は雨かもって天気予報言ってたよ」

亘理『雨かぁ』

サタン「雨いやなのだ?」

亘理『ジトッてするからね』

サタン「なら雨雲を吹き飛ばすのだ。」

悠「やめい」

サタン「えー……」

悠「残念そうな声出すな。戦闘狂、乳揉むぞ乳」

亘理『……』
ガシッ!
悠「頭が!頭が引っ張られるっ!!」

摩耶「引っこ抜けたら脊髄がずるんってなるのかな」

千世子「想像したらなかなかグロイのだ」

スキュラ「ろくろっ首は伸びた首にあわせて脊髄も伸びてるのでしょうか?」

ベヒモス「それだと何かの拍子にへし折れて即死だと思うモス」

悠「まぁ、あれはきっと肉と皮だろうな。見た限り」

千世子「見たことあるのだ?」

悠「見たことあるのです。なかなかの伸縮性があった。」

摩耶「ようするに掃除機のコードだね。」

亘理『ろくろっ首が聞いたらショック受けそうだね。』

サタン「でも、その伸縮性を利用したハンマーヘッドは強力そうなのだ」

摩耶「ボーリング玉ぶつけるようなもんだもんね。」

悠「そう考えたら……ろくろっ首って怖っ!!」

千世子「いや、頭ぶつけるって自爆にならないのだ?」

摩耶「悠君くらい頭が硬かったらいいんだろうけどね」

神姫「頭とる?」

悠「おれはブロッケン伯爵じゃないからダメです」

摩耶「いってみたら案外イケルかもしれないよ」

悠「イケない、イケない」

天魔「たのもー!」

悠「うわっ、戦闘狂が増えた」

サタン「あーん?なのだ」

天魔「おうっ!角女!久しぶりじゃな!」

サタン「別に会いたくなかったのだー。ちび鳥」

天魔「あ?」
サタン「あ?」

悠「なにこれ怖い」

千世子「なにか用事があったんじゃないのだ?」

神姫「喧嘩売りにきただけじゃない?」

大天狗「いえ、結界の様子を見に来ただけです。喧嘩を売ってるのはついでです。」

悠「ついででラグナロク起こされたら困るんだけど」

大天狗「困りものですよ。やれやれ」

悠「止めるかどうかしろよ!」

大天狗「……悠どのは火中の栗を拾うタイプですか?」

悠「……」

ベヒモス「かちゅーのくりモス?」

千世子「火中の栗を拾うっていうのは、自分の利益にはならないのに、そそのかされて他人のために危険をおかすことのたとえなのだ。また、あえて困難なことに身を乗り出すことのたとえなのだ。 」

ベヒモス「なるほどモス」

摩耶「悠君は火中の栗が大好きなタイプだよ」

大天狗「ドマゾですね。気持ち悪い。」

悠「うおっい!てめっ、そのスケベ装束引ん剝くぞ!」

大天狗「天狗装束です」

亘理『……』
ガシッ!メリリッ!
悠「らめぇー!ぬけちゃう!あたまぬけちゃうぅっ!」