ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(2/28/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「うちのバカがバカに拍車がかかってきたんだがどうしたらいいと思う?」

摩耶「どうしたの?」

悠「ゆうが片目に包帯とか巻いて邪気眼気味になってるんだ」

花描「いいじゃないか。黒髪ツイン、八重歯に邪気眼なら十分に萌えじゃん」

悠「そんなもん、摩耶のが数倍萌えるわ!」

摩耶「あはは。」

神姫「色々間違ってるわよ。」

千世子「じゃあ、その間違いは置いといてじゅぎょーにはいるのだ」

【ルーン魔術師】
文字を書いて魔法を発動する

悠「最近、ぴよこが冷たいなぁ」

神姫「当然の対応なんじゃない。」

千世子「北欧神話の主神である「オーディン」が作り出した魔法、それが「ルーン」なのだ。ルーンは、西欧文化圏で生まれた魔法としては極めて珍しく「呪文の詠唱を必要とせず。文字を書くことによって魔法を発動する」という特徴が有るのだ。」

摩耶「けど、文字を書くのって詠唱より時間かからない?」

千世子「ルーン文字は直線だけで構成される単純な形だから大丈夫なのだ。必要に応じて石や木片、地面に文字を刻んで、魔法を発動したようなのだ。」

花描「なら、最悪血で書いたり、自分の身体に刻んでもいいわけだし。」

摩耶「なるほど、たしかにありだね。」

千世子「東洋の魔術では、呪文の詠唱を必要としない魔法もいくつか存在するけど、西洋においては「文字だけで発動する魔法」は異例であるのだ。」

悠「っか、紙に書いてストックしといたらいいんじゃないかな。」

神姫「それは魔術書とかスクロールになるんじゃないの」

千世子「なお「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と並ぶテーブルトークRPGの定番「ルーンクエスト」では、ゲーム内の魔法体系が現実の北欧ルーンをアレンジした設定となっているのだ。ルーン文字(歴史上の北欧ルーン)は「文字自体が神聖な力を持つ」という考え方に基づいているため、わざわざ呪文を唱える必要はないのだ。」

悠「日本の梵字の運用と似てるな」

千世子「ルーン文字は北欧神話の主神であるオーディンが使い始めたものなのだ。オーディンは、魔法の奥義を手に入れるため、世界の中心に立っている木(ユグドラシル)で首を吊っていったん自殺し、ルーン文字の秘密を手に入れた上で再び復活したのだ。」

摩耶「めっさごり押しだね。」

悠「伊達じゃないな。」

千世子「オーディンにはこの他にもさまざまな逸話があるのだ、多くの創作ファンタジーやゲーム世界の下敷きになっているのだ。「ラグナロク」「グングニル」「ワルキューレ」といった言葉は、いずれもファンタジー世界の定番だけど、すべてオーディンを中心とする北欧神話が由来なのだ。以上ルーン魔術師だったのだ。」
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