ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

サタン『イーヴィル……スフィアァァなのだ!』
ゴポッ、チュドドド!
ジャキキキキキッ!
天魔『宵羽斬!』

摩耶「相変わらず窓の外がラグナロク」

悠「ラヴクラフトと義鷹もぶっこむか」

神姫「本当にラグナロクになるわよ」

千世子「でも、衝撃とかで窓が割れたりしないのだ」

大天狗「メフィスト殿が頑張っておりますなぁ。」

【一つ目小僧】

千世子「じゅぎょーしますなのだ。一つ目小僧は、普通の人間ならば二つある目玉が、一つしかないという妖怪なのだ。顔の真ん中に目がひとつ、というどことなく愛嬌のある外見が、江戸時代以降、コミカルなキャラクターとして妖怪ファンの人気を集めているのだ。このように名前と外見は広く知られている一つ目小僧だが、この妖怪がどのような由来と能力を持っているかは、あまり知られていないところなのだ。」

悠「あ、そっか分かった。なんか大天狗の性格が憎めない理由が」

摩耶「美人だから?」

亘理『あ?』

悠「それはおいといて、アレだ恋姫の幽に似てるからだ。まぁ、こっちは顔面神経がやや死んでるが」

大天狗「死んでませんよ。動きにくいだけです」

千世子「一つ目小僧は、名前に「小僧」とついているとおり、子供ぐらいの背丈で、寺で働く少年僧侶「小僧」の姿をしていることが多いのだ。目の位置は、通常の人間の両眼の中間にあるもの、額の真ん中に目があるもの、頭のてっぺんに目があるものなどもいるのだ。また変わったところでは目だけではなく足も1本しかない、一つ目一本足の小僧の伝承も残っているのだ。」

スキュラ「それはそれで問題があると思いますが」

大天狗「私も一昔前は百面相といわれるほど表情豊かだったのですけどね」

悠「ちょっと面白いじゃねーかおい」

ベヒモス「じゃあ、なんでそうなったモス?」

大天狗「天魔様の下に就いてからどんどんと表情筋が死んでいっただけです」

悠「なんかスマン」

千世子「一つ目小僧の正体は、キツネや狸が返信したものとする伝承が多いが、山の神が力を失った馴れの果てだという説もあるのだ。山よりはむしろ人里にも表れる一つ目小僧が、山の神の変化したものだと解釈されるわけは、「一つ目は山の神の証」という理由だそうなのだ。日本の山の神の多くは、神話の中で片目を失ったり、もともと目を一つしか持たずに生まれてくるものが多いのだ。」

神姫「結局死んでるんじゃない、表情筋」

亘理『なんか大変ですね』

大天狗「大丈夫です。200年前に諦めました」

悠「数百年規模っていうのがやっぱり妖怪だな」

摩耶「僕は三日で悠君という人間を諦めたよ♪」

悠「へへっ」

千世子「また、山の神の神事に関わるものや、神に捧げるいけにえを一般人と区別するために硬めを潰す風習を持つ地域があったという説や、山の中で暮らすことが多い製鉄や家事の技術者が、職業病として片目を失明してしまうことが多いことなども、これらの「山=一つ目」のイメージに寄与している可能性があるのだ。」

亘理『今の笑うところ?!』

神姫「諦めてるわりにはずっと付き合ってるのね」

摩耶「抗うことを諦めたの」

神姫「ごめんなさい」

悠「なんで謝った?っか、摩耶もおれから抗うのを諦めたって何?!」

千世子「人間が一つ目小僧に遭遇するのは、夜道などの路上であることが多いのだ。中国地方の岡山県には一口坂というところがあって、夜にそこを通ると、松の上から青白く光る一つ目小僧が飛び出してくるのだ。そして驚いて腰を抜かした人間の顔を、長い舌でぺろりとひと口舐めるというのだ。ここでの一つ目小僧は、恐らくキツネや狸が化けている者であろう、といわれていたのだ。」

大天狗「悠殿からは天魔様や揺光様と同じ香りがしますもんね。」

悠「どんな香りだよ」

大天狗「…………問題ごとを起こす香りでございます」

摩耶「だいぶん考えたね」

神姫「何十にもオブラートに包んだんでしょうね」

千世子「東北地方の福島県では、武家屋敷に使える少女の前に子供が現れ「お金が欲しいか」と質問したのだ。「欲しい」と答えると「これか』というのでその顔をよく見るとみ見も鼻もない一つ目がじっと睨んでいたというのだ。これは、当時のお金の中心に穴があいていたことから生まれた伝承だと考えられるのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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