ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(2/27/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

花描「巫女は魔法使いに入るのかな?」

悠「うーむ…神の力を使役するとか借りるから魔法使いの部類かもな」

摩耶「巫女っていったらつかさちゃんとかがみちゃんもだね」

千世子「巫女の話が出てるから今日のじゅぎょーはこれなのだ。」

【ボルボ】
古代北欧の巫女

悠「スナイパーか?」

神姫「それはゴルゴ」

千世子「ボルボまたはボルバは古代の北欧で霊的な力によってさまざまな魔法をつかったシャーマンの一種なのだ。スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」っは何らかの繋がりがありそうだけど、自動車メーカーのボルボは、ラテン語の「回転」を由来としたもので、シャーマンのボルボとはまったく関係がないのだ。」

悠「まぁ、綴りが違うしな。」

千世子「北欧のシャーマンであるボルボは「セイズ魔法」と「ガント魔法」の二つの技を使い分け、北欧社会の中心的役割を果たしたのだ。」

摩耶「セイズとガント?」

千世子「セイズ魔法はセアンスに似た儀式によって霊(神)を呼び出し、予言を授かることを主な目的としたのだ。」

花描「降霊術みたいなもんか」

千世子「ボルボは神から力を引き出し、他の人間に与えることもできたのだ。ボルボによって神の力を与えられた戦士はベルセルクと呼ばれ、通常の三倍以上の力を発揮できるようになったというのだ。」

悠「三倍…赤い彗星シャアか」

摩耶「角つける?」

悠「いや、おれはいいや。」

千世子「ベルセルクという言葉には「熊の皮をまとう」という意味があり、英語のバーサーク(berserk:凶暴な)という意味があるのだ。」

悠「たしかにスクエニのファイナルファンタジーⅤに登場するバーサーカーは頭から動物の毛皮をかぶった姿だしな。」

千世子「それは北欧のベルセルクをそのまま表現したものだのだ。」

摩耶「なるほど、それでガンドの魔法は?」

千世子「セイズ魔法が霊を自分の側に呼び寄せる術に対し、ガンド魔法はまったく逆に「自分から幽体離脱して、他の霊に会いに行く」ことを目的としたものなのだ。」

神姫「呪いとかではないの?」

千世子「間違いではないのだガンド魔法をつかえば「相手に杖を向ける」「相手を指差す」といった動作によって、他人に呪いをかけることができたのだ。」

悠「Fate/staynightで登場する遠坂凜は、ガントを得意技にしてたな。たしかに指先ひとつで他人に呪いをかけてる」

千世子「以上でボルボのじゅぎょーはおしまいなのだ。次回はルーン魔術師なのだ」
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