ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「そこそこ使いこまれたフライパン」

摩耶「やや焦げがついてる鍋」

神姫「切れ味の落ちてる包丁」

千世子「火のつきが悪い携帯コンロ」

サタン「このゴミなんなのだ?」

亘理『ゴミじゃないよ!』

悠「え?」

亘理『これは冥ちゃんからもらったもの!』

スキュラ「捨てるのを頼まれたのでは?」

亘理『違うもん。これで料理を覚えていくの』

悠「やめよう」

亘理『どういう意味だ!!』

悠「お前が作るのは「みたいなもの」だろ」

ベヒモス「「みたいなもの」モス?」

摩耶「カレーみたいなものとか」

悠「あの義鷹ですらお前の料理は食べないだろ。そして、一度美兎が食べて昏睡してる。」

亘理『昔のことだよ』

神姫「どちらかというと料理器具を分けてもらうより、冥ちゃんに料理を教えてもらうほうがいいんじゃないの?」

亘理『その発想はなかった』

神姫「……」
チリッ

悠「なんか龍剄練ってない?」

神姫「気のせいよ」

亘理『う、撃たれる』

サタン「でも、料理は独学で覚えるより誰かに習うほうがいいと思うのだ。」

千世子「サタンちゃんは料理できるのだ?」

サタン「羊肉の丸焼きが得意なのだ。」

悠「ワイルドだなー」

神姫「っていうか、それも誰かに習う料理とかじゃないわね。」

亘理『丸焼きって料理ですか?!』

サタン「ちゃんと中まで火を通すのには技術がいるのだ」

摩耶「具体的には?」

サタン「地獄の炎で包むのだ。」

悠「料理以前にもはや最終奥義的な何かな気がする。」

摩耶「地獄の炎だもんね。」

千世子「肉が焼ける以上に何もかも焼き尽くしそうなのだ。」

サタン「それをやらないように微妙な火加減ができるから我は凄いのだ!」

神姫「凄いっちゃ凄いわね確かに」

悠「まぁ、地獄の炎操れるんだしな……」

千世子「ちなみにそれ以外の料理はできるのだ?」

サタン「料理人に作らせればいいのだ」

神姫「真理だわね」

亘理『私は自分で作り極めたいの!!』

摩耶「ベヒモスちゃんはなにが美味しいと思う?」

ベヒモス「生野菜モス」

悠「亘理、生野菜を極めろ」

亘理『どうしろと?!』

摩耶「畑づくりかな」

亘理『料理じゃなーーい!』
20/100ページ
スキ