ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『ふー、掃除終了』

美兎「はぁ、なんであたしまで」

亘理『ずーっと何もしてなくて暇なの美兎しかいなかったからじゃん。皆外でバタバタしてるし』

美兎「あたしは原稿書いたりと色々してんのよ!」

ミーナ「ただいまもどったよ」

亘理『ミーナさん、外はもういいんですか?』

ミーナ「うむうむ、あふれ出た巨大虫の死骸を片しとるだけじゃしな」

美兎「それって「だけ」で片づけられる内容じゃないわよね」

ミーナ「おや、見ない顔だね」

美兎「そりゃあたしのセリフなんだけど」

亘理『兎妖怪の美兎、こっちは人間のミーナさん』

美兎「ドーモ」

ミーナ「ドーモ」

美兎「とりあえず片付いたし、あたしは部屋に戻るわ」

亘理『はいはい』

ミーナ「ご苦労さん。っと、そういえば亘理ちゃんは何で外にでんかったんじゃ?」

亘理『私、ここで妖怪化したから出れないんです。この校舎から』

ミーナ「ほう。つまりどういうことじゃ?」

亘理『ええと……』

~説明中~

ミーナ「ふむ……ほー、なるほど興味深い」

亘理『私も出られるんなら今すぐにでも窓から飛び出して駆け回りたいんですけどね』

ミーナ「絶対に出ることはできんのかえ?」

亘理『できないっぽいです』

ミーナ「ふーむ……実に面白い!」

亘理『私は面白くないですけどね…』

ミーナ「すまんすまん。よし、どううにかできないか私の方でも調べてみよう」

亘理『本当ですか!』

ミーナ「科学は万能じゃからな。まぁ、妖怪や霊という超自然なものの研究からになるが」

亘理『先長そう…』

メフィスト「なかなか面白い話デスねー。」

亘理『メフィ先せ……って、なに持ってるの』

メフィスト「蟻の頭デース。なかなかの美品なのデ拾ってきまシた」

亘理『美品って……』

ミーナ「ふむ、ここまで巨大な蟻の頭じゃと迫力もある」

メフィスト「さっそく加工シて剥製にシマース」

亘理『悪趣味…』

千世子「ただいまなのだー」

亘理『チヨちゃんおかえりー』

千世子「はい、亘理ちゃんお土産なのだ」

亘理『虫の頭じゃないよね…』

千世子「桜の枝なのだ。なんか幽霊の結晶を水につけてそこに枝を刺しとくと枯れないらしいのだ。これでいつでも桜を楽しめるのだ。」

亘理『チヨちゃーーーん!』
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