ー奇談ー學校へ行こう(2)

ー廃校:桜の木の根元ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

義鷹「バリボリ」

悠「いってー!噛まれた!ちょー噛まれたよ!」

摩耶「腕とか喰いちぎられなくて良かったね。」

悠「めっちゃ牙刺さったけどな!」
ダラダラ

摩耶「ああ、ほら押さえとかないと血が垂れてる」

義鷹「気をつけろよ。毒がある奴に噛まれたら死ぬぞ。ゴリッ」

悠「蟻の頭をスナック感覚で食うな」

義鷹「ミミズよりは全体的に味は落ちるが歯ごたえは良い。あと、蜜袋は甘い」

摩耶「蜜袋の蜜だけ舐めたい」

悠「おれは傷薬と包帯とミニスカクール系のナースが必要だ」

摩耶「唾塗っといたらいいよ」

悠「寂しいわぁ」

義鷹「もうすぐ最下層だ。行くぞ」

悠「あーあ、なんで桜の下を見たいとか行っちまったんだろ……」

義鷹「ホントにな」

摩耶「しかもついてきたのが僕だけっていうね。」

悠「摩耶はおれのこと大好きだもんな!」

摩耶「アーウンソーダネー」

義鷹「ここだ。」

巨大な蟻『……』
巨大なミミズ『……』
巨大な蝉の幼虫『……』

悠「うぉっ、なんだ……これ」

摩耶「根に絡まって死んでる?」

義鷹「巨大化してより濃いエネルギーを喰らおうとして桜の根に齧りつこうとしたが逆に捕らわれ食われた虫どもだな」

悠「何それ怖い」

摩耶「僕らは平気なの?」

義鷹「何か起こったらとりあえず避けろ、あと変なものには触るな」

悠「おいおい。ん?これなんだ?」
ひょい

摩耶「言った傍からこれだよ」

義鷹「はぁ……」

悠「なぁ、見てくれ。水晶みたいなのが落ちてた」

義鷹「それは……幽霊の結晶だな」

悠「幽霊の結晶?」

義鷹「正確に言うと幽霊の搾りかすだ。この桜にエネルギをーわ吸われきってカラッカラに絞られて結晶化した物体だな」

摩耶「危険なもの?」

義鷹「いいや。その結晶自体はほぼ水晶と同じ成分だ。けど元が幽霊だから大量に集めて置いといたら幽霊を集めるだろうな」

悠「へー、こんなにも幽霊が吸い取られてるってことか」
ジャラララッ

義鷹「なに集めてるんだよ」

摩耶「カラスと一緒で光るものを集めちゃうんだよ」

悠「いや、結構きれいだし。なんかの役に立つかもしれないから。ついでにここまで降りてきて手ぶらで帰るのは悔しい」

義鷹「本音が漏れてるぞ」
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