ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「三月だな」

千世子「春が近づいてきてるのだ」

摩耶「でも、昨日は雪降ったね。」

悠「真桜が最後の寒波を呼びよせた気配がある。」

神姫「気配って何よ」

悠「最後の波紋的な」

千世子「わからないのだ。」

悠「考えるな。感じろ。」

亘理『ジャッキー?』

悠「ちげーよ!!」

亘理『え?』

摩耶「チェンじゃなくてリーだね。」

亘理『リー……あっねジェット!!』

悠「ブルーーースッ!!」

サタン「なに騒いでるのだ」

摩耶「悠くんが寒いって」

千世子「あれ、そういう話だったのだ?」

サタン「しかたない、家臣なのだ。我に任せるのだ」

悠「……」

~~

サタン『ほーら、我の胸に挟まればぬっくぬくなのだ♪』

~~

悠「…………任せようかなっ!!」

亘理『邪念を感じる…』

スキュラ「探知能力ですか?」

ベヒモス「違うと思うモス」

サタン「我のオーラを凝縮して……」

悠「あ、もういい。もういいです。」

サタン「……なんでなのだ!!」

悠「危なさがにじみ出てる。」

神姫「体験してみたらいいじゃない。案外適温かもしれないわよ」

悠「そんな未来は見えない」

千世子「ちなみになにする気だったのだ?」

サタン「オーラを練って……殴るのだ!」

悠「却下却下却下却下!」

摩耶「オーラをぶつけるとあったかくなるの?」

サタン「多分、あったかくなるのだ」

悠「多分っていってる時点でダメ」

摩耶「じゃあ、とりあえずこの板で試してみようか」

スキュラ「なぜ板があるのでしょうか」

摩耶「些細なことだよ。じゃあ、投げるよ、はい。」
ポイ
サタン「とりゃーなのだ。」
ゴッ!ボッ……ボロボロ……

悠「……消し炭じゃねぇか!!」

神姫「ウェルダンを越えて文字通り消し炭、ね。」

サタン「んー、今のは調整ミスなのだ。次は上手くいくのだ!」

悠「いかねぇよ!!」

亘理『とりあえず、床に落ちたの掃除しない?』

摩耶「だね」

ベヒモス「なら、僕にお任せモス。尻尾に掃除用の布を巻いて」
ブォン、ブォン、ゴッ!
悠「ぬぅんっ!」

ベヒモス「ほら、綺麗になったモス」

悠「……」

亘理『悠ちゃん、今直撃しなかった?』

悠「ハイパーレジストを覚えてなかったら吹っ飛んでた」
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