ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡
ー稲葉の部屋(仮)ー
稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」
禅「烏哭禅の…」
稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」
稲葉「本日のゲストは語り手としての人間国宝…小鳥遊悠よ」
悠「持ち上げ過ぎだろ…いつから人間国宝になった。っか、なんの語り手だ。」
禅「落語…とか」
悠「えー…毎度馬鹿馬鹿しいお話を一つ、今は昔反物屋の…」
稲葉「怪談をお願いね。」
悠「ある女子大生が先輩のアパートで行われた飲み会に参加した時のことだ。」
飲み会が終了した後、彼女はアパートを出てしばらく歩いていたのだが、ふと先輩の家に携帯電話を忘れてきたことに気づいた。
彼女はアパートに引き返し、先輩の部屋に戻って呼び鈴を押す。
ところが、反応がない。
ドアノブをまわすと鍵は掛かっていなかったので、彼女はそのまま中に入っていった。
部屋の中は電気がついておらず真っ暗で、どうやら先輩はもう寝てしまったらしい。
無用心だな、と思った彼女は電気をつけて先輩を起こそうかとも考えたが、先輩がかなり酔っていたのを思い出してやめておき、真っ暗な中で自分の携帯電話を探し出すと「忘れ物をしたので取りに戻りましたー」とひと声かけて部屋を後にした。
翌日、彼女が先輩のアパートの前を通りかかると、なぜか大勢の警官が集まっている。
事情を聞いて彼女は驚いた。
なんと、あの先輩が部屋で殺されたというのだ。
部屋は荒らされており、物取りの犯行かもしれないという。
「あの時電気をつけて先輩を起こし、きちんと戸締まりをするよう注意していたらこんな事にならなかったのに…」
彼女が自責の念でいっぱいになりながら昨日その部屋にいたことを警官に話すと、部屋の奥から刑事が現れて彼女に見て欲しいものがあると言った。
「部屋の中でこのようなメモを見つけたのですが、これの意味がわからないで困っていたのですよ。何か心当たりはありませんか?」彼女はそのメモを見て青ざめた。
そこにはこう書かれていたのだ。
「電気をつけなくてよかったな」
彼女が忘れ物を取りに来た時にはすでに先輩は殺されており、犯人もまた同じ部屋に潜んでいたのだ。
悠「もし電気をつけていたら彼女も……」
稲葉「これで99話ね。」
禅「では…悠さん…ラストを…」
悠「じゃ締めは百物語の話で百話に達すると怪異が起こるという百物語にまつわる話は多い。」
ある若者グループが10人で百物語をすることにした。友達の家に集まり夕方から開始して、99話に達したときには既に明け方近くなっていた。
あと一話で怪異が起こる…
そんな空気が流れていて、誰も最後の1話を語ろうとはしない。蝋燭は使わずに部屋を真っ暗にして怖い話をしていたので、沈黙と暗闇の空間がしばらく続いた。
しばらくして一人が沈黙をやぶり話しを始めた。その話は最後の話というだけあってとても怖い話だったという。
話が終わり再び沈黙が流れる……
しばらくして「なにも起きねえじゃん」と一人が電気を付ける。確かになにも起きていないと他の9人も安心した。
「最後の話まじで怖かったなあ~あれは誰の話?」
と聞くとみんな自分は話していないと言う。
今思えば確かに聞き覚えのない声だったという。ではいったい誰が話しをしたのか?
ふと気がつくと部屋の隅に誰かが膝を抱えてうずくまっている。
悠「俺だよ…ってな。」
稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」
禅「烏哭禅の…」
稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」
稲葉「本日のゲストは語り手としての人間国宝…小鳥遊悠よ」
悠「持ち上げ過ぎだろ…いつから人間国宝になった。っか、なんの語り手だ。」
禅「落語…とか」
悠「えー…毎度馬鹿馬鹿しいお話を一つ、今は昔反物屋の…」
稲葉「怪談をお願いね。」
悠「ある女子大生が先輩のアパートで行われた飲み会に参加した時のことだ。」
飲み会が終了した後、彼女はアパートを出てしばらく歩いていたのだが、ふと先輩の家に携帯電話を忘れてきたことに気づいた。
彼女はアパートに引き返し、先輩の部屋に戻って呼び鈴を押す。
ところが、反応がない。
ドアノブをまわすと鍵は掛かっていなかったので、彼女はそのまま中に入っていった。
部屋の中は電気がついておらず真っ暗で、どうやら先輩はもう寝てしまったらしい。
無用心だな、と思った彼女は電気をつけて先輩を起こそうかとも考えたが、先輩がかなり酔っていたのを思い出してやめておき、真っ暗な中で自分の携帯電話を探し出すと「忘れ物をしたので取りに戻りましたー」とひと声かけて部屋を後にした。
翌日、彼女が先輩のアパートの前を通りかかると、なぜか大勢の警官が集まっている。
事情を聞いて彼女は驚いた。
なんと、あの先輩が部屋で殺されたというのだ。
部屋は荒らされており、物取りの犯行かもしれないという。
「あの時電気をつけて先輩を起こし、きちんと戸締まりをするよう注意していたらこんな事にならなかったのに…」
彼女が自責の念でいっぱいになりながら昨日その部屋にいたことを警官に話すと、部屋の奥から刑事が現れて彼女に見て欲しいものがあると言った。
「部屋の中でこのようなメモを見つけたのですが、これの意味がわからないで困っていたのですよ。何か心当たりはありませんか?」彼女はそのメモを見て青ざめた。
そこにはこう書かれていたのだ。
「電気をつけなくてよかったな」
彼女が忘れ物を取りに来た時にはすでに先輩は殺されており、犯人もまた同じ部屋に潜んでいたのだ。
悠「もし電気をつけていたら彼女も……」
稲葉「これで99話ね。」
禅「では…悠さん…ラストを…」
悠「じゃ締めは百物語の話で百話に達すると怪異が起こるという百物語にまつわる話は多い。」
ある若者グループが10人で百物語をすることにした。友達の家に集まり夕方から開始して、99話に達したときには既に明け方近くなっていた。
あと一話で怪異が起こる…
そんな空気が流れていて、誰も最後の1話を語ろうとはしない。蝋燭は使わずに部屋を真っ暗にして怖い話をしていたので、沈黙と暗闇の空間がしばらく続いた。
しばらくして一人が沈黙をやぶり話しを始めた。その話は最後の話というだけあってとても怖い話だったという。
話が終わり再び沈黙が流れる……
しばらくして「なにも起きねえじゃん」と一人が電気を付ける。確かになにも起きていないと他の9人も安心した。
「最後の話まじで怖かったなあ~あれは誰の話?」
と聞くとみんな自分は話していないと言う。
今思えば確かに聞き覚えのない声だったという。ではいったい誰が話しをしたのか?
ふと気がつくと部屋の隅に誰かが膝を抱えてうずくまっている。
悠「俺だよ…ってな。」