ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡

ー稲葉の部屋(仮)ー

稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」

禅「烏哭禅の…」

稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」

稲葉「今日のゲストはツイントラブルシューターの悠と六花ちゃんよ」

悠「なんかの必殺技みたいにいうな。」

六花「ツイン!トラブルシューーット!みたいな?」

悠「まぁそうだけど…お前スパロボとか好きなのか」

六花「すぱろぼ?」

悠「いや、まぁいいや。」

稲葉「それじゃあ、怪談の方をお願いできるかしら。」

悠「オッケーね。親父の会社の社員から聞いた話だ。その人がうちの会社に移る前……」


残業が終わると、時計は深夜2時を回っていた。
その日は会社に誰も残っていなかった。

左側のエレベーターのボタンを押した。

階数表示ランプが静かに点滅する。
35‥30‥25‥

会社のある20階までは少し時間がかかる。
エレベーターの扉が開いた。
この時間帯にしては珍しく、人が数人乗っていた。
私は壁によりかかり、半ば眠りながら1階に到着するのを待っていた。

不意に軽い振動があり、無言のエレベーターは途中の13階でとまった。

私以外の人間はそこで降りた。私も反射的に降りかけたが、ふと目を覚まして思いとどまった。

帰りのタクシーの中で、あることを思い出した。

悠「その会社の左側のエレベーターは、5の倍数となる階でしか停止しない筈だった‥。ってな。」

六花「はい、じゃ、あたしね。最終兵器…もとい、お母さんから聞いた。博多駅前、筑紫口徒歩ゼロ分にあるホテルの話。」

そのホテルには、なぜか1室だけ窓がない密室の部屋がある。

あいにく他の部屋がふさがっていたため、その部屋にある芸能人が宿泊した。

深夜、彼はフロントのボーイを呼び出した。

「おい!この部屋絶対なにかあるだろ!!」

「お客さま、この部屋は普通の客室でございます。このとおり、なにもございません。」

と、いってボーイが部屋の壁に掛けてある絵をひっくり返そうとしたところ…

彼は「俺が言ってるのはこっちのことだ!」と、その絵がかかっていた壁を一気にはがした。

そこには、打ち抜きのコンクリートに、鳥居のマークや梵字のような呪文やらが書かれ、神社のお札が壁一面に貼られていた。

その芸能人は、料金全額払い戻してもらった上、30万円もらって厳重に口止めされ、別の町のホテルに移ったそうです。

六花「なにが…あるんだろうね。その部屋。」

稲葉「二人ともお疲れ様…と言いたいけどあと三分時間があるの。何かもう一つ話せないかしら」

悠「三分って…」

禅「あと…二分…」

悠「え、あー…えーと…中学のとき水鼠が…」

その日は友達と長く遊び過ぎて帰りが遅くなりまして少し早あるき気味で帰っていたのですが…

近道のため普段は通らない公園を通ることにして…

真ん中あたりに来たときに水鼠の前にサッカーボールが転がって来ました。

転がってきた方をみると、ブランコに小学校低学年位の男の子がいて。

その男の子は「遊ぼうよ」といったので「今急いでるからごめん」と言ってまた走りだしたんだけど…

男の子も水鼠のあとについてきた、何度言ったにもかかわらずついてきて…

時間も時間だし親もいないのはおかしい、この子はヤバイかもと思い無視して帰ることにしたら…

男の子は笑顔というより、にたにた発狂したような笑い顔で後をついてきた……

悠「それから水鼠は全速力で走って…気付くと家に着いてて、男の子の姿は無かったらしい。」

稲葉「二分オーバーね」

悠「どないせいちゅうんじゃい!」
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