ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡8

ー稲葉の部屋(隣)(12/27/夕)ー

稲葉「毎度お馴染み。笑いと癒しを提供する古川稲葉と…」

禅「烏哭禅…と…」

優希「千歳優希&…」

紅菜「紅菜の…」

稲葉「電!」
優希&紅菜「「脳!」」
禅「ラジオ…!」

稲葉「はい、電脳ラジオの時間よ。今日のゲストは悠(女)とともきくんよ」

悠(女)「安楽椅子探偵属性のあーしだ。……うそだ。」

ともき「安楽椅子探偵、ミステリの分野で用いられる呼称で部屋から出ることなくあるいは現場に赴くことなく事件を推理する探偵の事だと解説する俺です」

優希「Armchair Detective(アームチェア・ディテクティブ)ってやつですね。思いっきり嘘って言いましたけど」

悠(女)「確かにあーしくらいインテリだとコタツでぬくぬくしながら解決するのも可能だけどな」

ともき「ふぅん」

悠(女)「信じられてないな。こーみえてあーしはジェーン・マープル、 老給仕ヘンリー、 隅の老人、 三番館のバーテン、 春桜亭円紫だって読んでるんだぞ」

ともき「それは?」

稲葉「安楽椅子探偵的な内容の小説とかよ」

優希「でも、しっかりと探偵業はしてますよね」

悠(女)「しかし、思い返したら通算戦績は負けてるけどな。だいたいは解決してるようで、一回は大ポカしてるし」

ともき「っていうか、その本人は?」

悠(女)「ほら、ここにいるぞ」

コトッ!
ともき「白黒写真に黒のリボンを掛けるな!」

優希「まんま遺影ですね」

悠(女)「いえーい」

ともき「……っで、本人は?」

悠(女)「知らんがな。」

ともき「興味なしかい」

悠(女)「1センチくらいはある」

優希「そういうのを計る単位ってセンチなんですか」

悠(女)「魂の単位って……重さなのかな」

優希「急に話しをすり変えないでください」

稲葉「人間が死ぬ際の体重の変化を記録することで魂の重量を計測しようと試みた実験ってのは有名よね」

優希「ダンカン・マクドゥーガルでしたっけ?」

悠(女)「人が死ぬと21グラムほど体重が軽くなる。まぁ、有名な話だが真実味は薄い。そういう映画もあっただろ「21グラム」って」

ともき「……なんでこんな話ししてる?」

悠(女)「さぁ」

稲葉「でも、魂なんてことごとく削ってるわよね。ねぇ?」

悠(女)「なんで、あーしに振る」

稲葉「悠が居ないから」

悠(女)「……腰の入った魂入りのパンチを、己の寿命を削るような一撃は確かに出せる。一番良いのは力を掴んで、魂を入れて殺気を乗せることだ。人間は格闘(ガチ)で虎や熊、ライオンにだって勝てる。言い換えるなら……人間は何にだって勝てるって事だ。実際、殺気を同調させて掛け算で打ち抜かれたら普通でいられるハズはない。だから、何にするにも一番怖い相手っていうのは「勝たなきゃならないって」って相手だ。」

ともき「そういう相手って普通なんじゃないか?」

悠(女)「もっと深くだ。本気で「勝たなきゃならない」って一生で何度もいえる言葉じゃない。「負けたけど一生懸命頑張ったから」とか「一生懸命頑張った」って事が勝つより大事とか大切とか対小学生用の逃げ口上は皆無……殺してでも勝つそのくらいの剛気を持って打ち込めば勝つ。それでも勝てなかったら……」

ともき「勝てなかったら?」

悠(女)「我慢強くなるしかないな。いひひ」

稲葉「それじゃあ今日の放送はここまでよ。メインパーソナリティは古川稲葉と」

禅「烏哭…禅で…お送り…しました。」
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