ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡7

ー稲葉の部屋(隣)(11/7/夕)ー

稲葉「毎度お馴染み。笑いと癒しを提供する古川稲葉と…」

禅「烏哭禅…と…」

優希「千歳優希&…」

紅菜「紅菜の…」

稲葉「電!」
優希&紅菜「「脳!」」
禅「ラジオ…!」

稲葉「はい、電脳ラジオの時間よ。今日のゲストは悠とともき君よ」

悠「やられる前に逃げろのおれだ」

ともき「何に追われてるんだと思う俺です。」

優希「やられる前にやれじゃないんですね。」

悠「逃げ遅れて捕まったら留置所だからな」

ともき「警察から逃げる話しかよ……。」

悠「刑務所も嫌だが留置所もなかなか辛いぞ。」

ともき「経験ないっーの」

優希「悠はあるんだっけ?」

悠「三週間コースでなら」

ともき「研修かなんかじゃないんだから……。」

優希「ちなみに逮捕ってどんな感じなんです?」

悠「とにかく、ダルかった。朝、チャイムが鳴ってドア開けたら警察官が三人……そのまま手錠掛けられて連れていかれて……二十一日間留置されたな。三人部屋だからプライバシーは無いし」

ともき「体験したくない体験談だな」

悠「ちなもに人としても扱われないしな、番号で呼ばれるから。あと、とにかくヤバいのが多い。嘘泣きばっかりするおっさん、ひたすら歩きまわる奴、ひとりブチ切れてる人、常習犯罪者。」

優希「うわぁ……それでどんな二十一日間をすごしたんです?」

悠「午前と午後二時間ずつ取り調べされて、生い立ちとかまで、根掘り葉掘り聞かれたな。」

ともき「っていうか、なんで捕まった?」

悠「ちょっと、生意気なガキに教育的指導しただけだよ。そのガキがなかなか告訴状取り下げ無かったから何にも答えず耐えてたけどな。」

ともき「いいのかそれ……」

悠「認めたらどっちにしろ負ける。だから、粘り勝負だった。唯一の楽しみは読書だったな。摩耶達からの差し入れの」

優希「へぇ」

悠「ちょいエロには寛大だった。でも新聞は一部塗りつぶされてたな。主に警察の不祥事や留置所に居る奴の記事な。あと食事がまずい」

ともき「悠は食事が生甲斐だしな」

悠「朝は飯におかず二品、昼は食パン四枚とオカズとジュース、夜は少しましで市販の弁当。メニューは毎日ほぼ同じ。」

優希「他にきつかったのは?」

悠「風呂だな。風呂は週二回で十五分間のみ。湯船につかる暇なんてない。」

ともき「髪長いしな」

悠「お湯が熱すぎて調整は難しいし、クソ狭いし、周りには綺麗な絵が彫られたお人だらけで気を使うし。常に監視の目も光ってるしな。」

ともき「休まる場所なしだな」

悠「無い無い。風呂に限らずずーっといつでも監視されてるから生き心地がしない。心が弱い奴だと即鬱になるぞ。」

優希「よく耐えましたね。」

悠「他に手が無かったしな。」

ともき「反省はしてないんだな」

悠「しっかり反省してるって、だから、それ以降なにか事を起こすなら下準備は怠らなくなった。」

ともき「反省っていうよりずる賢くなった?」

悠「賢明になったといってくれるかな?っか、間違えた。」

ともき「なにが?」

悠「事を起こすとかじゃなく、おれは何もしてない。ただ話しを聞いて、ちょっとアドバイスするようになっただけだ。おれは何もしなくなったし、何もしらないんだよ。」

優希「無理矢理過ぎる逃げ方ですね。」

悠「うにゃん!」

稲葉「それじゃあ今日の放送はここまでよ。メインパーソナリティは古川稲葉と」

禅「烏哭…禅で…お送り…しました。」
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