ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡

ー稲葉の部屋(仮)ー

稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」

禅「烏哭禅の…」

稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」

稲葉「今日はゲストはショタキャラ卯天君とネコキャラ鈴猫さんよ。」

卯天「ショタ…」

鈴猫「ネコキャラ…」

稲葉「もう、ちょっとしたオチャメよ。」

卯天「は、はぁ…コホン。では、友達の小学校時の話です。」


両親が共働きだった彼は、学校から帰ると一人、居間でテレビを見ていた。

しばらくすると、玄関の引き戸が開く音がするので母親が帰ってきたと思った彼は、驚かせてやろうと居間の入口の引違い襖のそばにしゃがみ。

足音がよく聞こえるようにと襖に耳を押しつけて母親を待ちかまえた。

足音は玄関をあがり、板敷きの廊下を居間に向かって近づいてきて彼が身を潜める襖の前にきた。

しかし、その足音は入口まできたものの、襖を開けようとしない。

おかしいと思った彼は外の様子をうかがおうと、いっそう強く襖に耳を押しつけた。

すると

……ガリ……ガリ……ガリ…。

廊下の向こう側からゆっくりと爪で襖をひっかく音がする。

驚いた彼はしばらくその場で硬直したが意を決して襖を開けると、ものすごい勢いで廊下を玄関に向かって走るハイヒールの音だけがしたそうだ。

卯天「いったいナニが居たのかそして何をしていたのかは……今でも謎だそうです。フッー…」

鈴猫「じゃあ、私ね大学で聞いた話…」

2年くらい前、その人は山陰の方へ一人旅をしました。

夜中に山の中を車で走っていたのですが、尿意を催したので車をわきに停めました。

その日は曇っていたため星もなく、街灯なんかもちろんないので真っ暗です。

試しに車のライトを消してエンジンを切ると、ほんとになんにも見えないくらいの暗闇でした。

怖かったのでライトを付け直そうかとも思ったのですが、怖さを楽しみたかったのでそのまま外へ出ました。

ほんとに手探りのような感じで車から離れ、茂みのほうに向かって行き、そこで用を足し。
その近くで座り込んでタバコを吸っていました。

時間がたつにつれて、ぼんやりと回りが見えるようになったんですが、やっぱり暗闇は暗闇でした。

煙草も吸い終わり、そろそろ戻ろうかと思ったときです。静寂の中で何か音が聞こえました。

葉が擦れ合う音です。
ガサガサっと、その人の位置から道路の反対側の森の中で聞こえます。

驚いて、おもわずその場に身体を低くして四つん這いのような恰好で音のほうを見ました。

またガサガサっと音が鳴り、何かが出てきました。
動物かなにかわからないんですが、怖かったのでずっと息を潜めていました。

それは道路を横切り、ヒタ、ヒタ、と変な音の足音で反対側に消えて行きました。

鈴猫「話はそれだけ…けど、時間は夜中の3時くらい…そんな時間にそんな場所で道路を歩かずに山の中へ消えて行ったって…私は凄く怖いと思うな…」
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