ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡6

ー稲葉の部屋(隣)(8/20/夕)ー

稲葉「毎度お馴染み。笑いと癒しを提供する古川稲葉と…」

禅「烏哭禅…と…」

優希「千歳優希&…」

紅菜「紅菜の…」

稲葉「電!」
優希&紅菜「「脳!」」
禅「ラジ…!」
貞子たん『お~!』

稲葉「はい、電脳ラジオの時間よ。今日のゲストは悠とミハイル殿下よ」

悠「閃光玉は常時携帯、毒煙玉はたまに、でも煙玉は一切使ったことがないおれだ」

ミハイル「銀のスプーンを口にくわえるとなぜか曇る体質の僕だ。」

優希「殿下の口の中は有毒なんですね」

悠「シャレにならない細菌とかもうようよしてるぞきっと」

ミハイル「人間の口の中はもともと雑菌だらけだ。」

優希「毒の話からだいぶそれましたね。」

悠「正直、もう毒の話しをこれ以上広げるのは難しいんだが……」

ミハイル「あとは毒殺して証拠物件として上がりにくい工作を考えるくらいか」

紅菜「その方法がないからって話しでしたよね」

優希「あ、なにかの本で読んだんですけど有毒なナス科のチョウセンアサガオに野菜のナスを接ぎ木し、そこから毒性のナスをつくるっていう手法」

悠「あー、それはダメだ。」

優希「ダメですか。」

悠「チョウセンアサガオの毒、ヒヨスチアミンは葉で合成されるから接ぎ木のナスに移行しても含まれるのはごく微量だ。」

ミハイル「そもそもヒヨスチアミンで死ぬことはまずない。それだったら遺伝子組み換えでトリカブトの毒をもったイチゴとかソラニン含有量1000倍のジャガイモをつくった方がいいだろ」

悠「確かにそれなら完全犯罪だな」

優希「できるんですか?」

悠「「今」は無理だけど実際植物の遺伝子組み換えや交雑種の技術は極まってきてるからな。近い未来にはあり得ないことじゃない」

紅菜「結構怖い話ですね。」

ミハイル「品種改良までいかなくても、けっこう簡単に毒をつくることはできるぞ。」

優希「え?」

ミハイル「例えば米に発生するカビだ。黄変米の毒素であるルテオスカイリン、シトリニンをうまく長時間被毒させれば肝臓腎臓が爆裂してスマートな謀殺が可能だな。」

優希「ば、爆裂?」

悠「そーゆのだったら、菜種油の中に含まれるエルシン酸は心臓に障害を持つ人には毒性が高かったりするぞ。」

紅菜「菜種油なんて普通に売ってますよね?」

悠「今売られてるナタネ油はエルシン酸の少ない品種改良種だよ」

ミハイル「僕のお薦めする毒は、キノコ毒、カビ毒、リシン、ドクウツギ、毒サボテン、MDPD、カーフェンタニルだな」

優希「お薦めって……」

悠「やっぱりキノコかな。入手性は高いし事故に見せかけやすい。とくにコレラに含まれるαアマニチンは乾燥状態でも安定してて味も特に変じゃないし。」

ミハイル「コレラの想定確実致死量は0.1㎎/㎏×10だな。」

優希「生々しいっす」

ミハイル「僕はやっぱりカビ毒だ。想定確実致死量は場合によるけど、さっきも話した通り痛んだ米はちょっとした毒物より遥かに殺傷力が高いんだ。意図的に使えば一カ月から半年のスパンで人を病気にできるぞ。」

優希「頼みますから実行しないでくださいよ」


ミハイル「解らん奴だな。僕が実行するならなにも証拠なんか残さないといっとるだろう」

悠「んー……さぁて、じゃあそろそろ〆ますか」

ミハイル「といっても落ちも何もないんだけどな。」

悠「この数日は実に毒々しかったなー」

優希「それ、最後の最後でやらかした感がありますよ」

稲葉「それじゃあ今日の放送はここまでよ。メインパーソナリティは古川稲葉と」

禅「烏哭…禅で…お送り…しました。」
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