ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡6

ー稲葉の部屋(隣)(8/18/夕)ー

稲葉「毎度お馴染み。笑いと癒しを提供する古川稲葉と…」

禅「烏哭禅…と…」

優希「千歳優希&…」

紅菜「紅菜の…」

稲葉「電!」
優希&紅菜「「脳!」」
禅「ラジ…!」
貞子たん『お~!』

稲葉「はい、電脳ラジオの時間よ。今日のゲストは悠とミハイル殿下よ」

悠「毒といえばアジ・ダハーカを思い浮かべるおれだ。」

ミハイル「科学の申し子ミハちゃんだ」

優希「えーと、昨日につづいて毒の話なんですよね」

悠「ポイズンだ」

優希「どんな返事ですか」

紅菜「昨日から聞いた内容だと、薬物犯罪はなかなかリスキーなんですね。」

ミハイル「そうだな。使われた毒物が特定されると「入手できた人間」「扱える人間」と対象がどんどん絞られてしまう。日本の警察は狡猾かつ優秀だ。ひとたび容疑者として名前があがろうなら……」

悠「即死亡フラグだぜ。具体的な例をあげるとヒ素カレー事件では、使われたヒ素が容疑者の家にあったヒ素であるかどうかSPring8という超絶高性能分析装置で特定したからな。」

優希「そーいうこといって大丈夫なんですか?」

悠「これは普通にググったらでるし」

紅菜「でも、そんなに高性能なんですか?」

ミハイル「例えば純度99%の亜ヒ酸があったとする。これはつまり、残り1%は亜ヒ酸以外の不純物が入ってるっと意味だな。不純物の配合は原材料や工場での製造過程で変わってくるのだが、現在の分析器はこの配合比を突き止められる。結果製造ロットまで特定されて、「誰がその薬物を入手し得たか」という裁判証拠として機能してしまう。この恐るべき分析技術を暴く手段は存在せん。」

悠「っでだ、物語の大きなプロットは「毒物の特定→犯人特定」とするとして、続いて「どうやって相手に毒物を摂取させるのがリアルか」についてだな」

ミハイル「対象に毒を盛る場合、経路は①経口②注入③吸入の三つだ。浣腸に毒を仕込んでおくというのもできなくはないが……」

悠「トリッキーすぎるし被害者があまりにも哀れだから除外しておく。」

ミハイル「まず経口からだ。この場合はヒ素や青酸といった古典的な毒に加え、ポロニウムなんかの超ハイテク毒物なんかも選択肢に出てくるな。」

紅菜「けど、口から入れるとなったら無理矢理飲ます、食べ物に混入、くらいしか選択肢はなくありませんか?」

悠「そうだな。アイディアも出尽くしてる分面白味も少ない」

優希「注入は毒針的な物を体内に打ちこむっていうことですよね」

ミハイル「そうだ。実際の運用方法としては「注射痕が残りにくく、わかりにくい場所を探す」ないしは「事故に見せかける」っといったものが考えられるな。ちなみに、チョイスする毒は、細菌毒素などの高分子毒素だ。」

優希「その理由は?」

悠「高分子毒素は「経口摂取だと無害だが、血中に直接入ると有毒になる」といった性質があるんだ。」

優希「へぇ、それだと死因の特定は難しそうですね」

悠「死体の出方しだいだと検死解剖されなきゃ解らないしな。そこをうまく誘導したりトリックるのがポイントだ」

優希「やりませんけどね」

ミハイル「最後に吸入。古典的なものだと「クロロホルムをタオルに当てて気絶させる」が有名だな。毒ガスという選択肢には無限の可能性かせ広まっている。なおかつ被害者が気づかないうちに毒を盛ることができる数少ない方法であることもポイントのひとつだ。」

悠「蛇毒素なんかは、吸入されると肺から蛇毒が入っておきながら、あたかも蛇にかまれたような状態を演出することが可能だ。」

ミハイル「ちなみにクロロホルムだけど、あれは実際には致死性が高くて、酸素とある程度の濃度で混ざった物じゃないと麻酔製を発揮しない。それに揮発性が低く、タオルごしの吸入はかなり困難だ。」

優希「つまり?」

悠「よしんばうまくいっても、濃度が高すぎると今度は機動麻痺なんかを起こして死んじゃう。だからクロロホルムで気絶させるのは無理筋だ。ってことだ」

優希「なるほど」

稲葉「それじゃあ今日の放送はここまでよ。メインパーソナリティは古川稲葉と」

禅「烏哭…禅で…お送り…しました。」
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