ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡

ー稲葉の部屋(仮)ー

稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」

禅「烏哭禅の…」

稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」

稲葉「今日はゲストは天をつく巨人金剛さんと礼儀をしるボーイッシュまゆさんよ。」

金剛「なんでもいいが、なんでこのペアなんだ?」

稲葉「昨日もいったけどランダムよ」

金剛「そうかい」

まゆ「ふむ、あまり話したことはないが今日はよろしくお願いするよ。」

金剛「ああ」

稲葉「それより…金剛さんてオバケ無理な人じゃ無かったかしら?」

金剛「う……む、無理な訳じゃない苦手なだけだ。」
まゆ「ふむ、気持ちはわかるな。僕もオバケの類いは信じていないけど暗い所は苦手だしね。」

金剛「とりあえず、俺から話す。あるアパートでの出来事だ。」


5階建てのアパートの最上階に住んでいる家族。

その家族にはもうすぐ幼稚園に入園予定の女の子がいた。

昼御飯を食べ終わった後に、女の子を近所の公園に散歩に連れて行くのが母親の日課だった。

ところが今日に限って女の子はお昼ご飯を食べ終わると、何処かへ遊びに行ってしまった。

しばらくして帰ってきた女の子に…心配になった母親が「どこに遊びに行っていたの?」と聞くと、女の子は「アパートの裏で豚さんと遊んでいたの」と言った。

(裏で豚なんか飼っていたかしら?)

母親はそう思いつつも1人で遊びに行けた女の子を少し見直した。
夜になり父親が帰って来るのを2人で待っていた。
しかし、いつまでたっても帰って来ない。

「お父さんまだ帰ってこないの?つまんないから豚さんと遊んでくる」
女の子はそう言うと母親の手を引っ張り
「お母さんも一緒に行こうよ」と言った。

子供一人で行かせるのも心配だ、自分も豚を見てみたいと言う気持ちがあったので、一緒に行く事にした。

女の子の手を握り階段を下りてアパートの裏へ周った。

そこはとても生き物を飼っているとは思えない薄暗い場所。

「どこに豚がいるの?」

母親がそう聞くと女の子は持っていた懐中電灯である場所を照らした。

「あれだよ、ママ」

金剛「……そこには屋上から飛び降りて顔面が潰れた父親が横たわっていたそうだ。」

まゆ「では、僕がいこう。少し前に友人が話ていた話だが…」


弟が中学生のころに同い年のAと一つ上のB先輩に連れられて肝試しに行った。

バイク仲間の間で有名なスポットで、「しのうかさん」という場所らしい。

夜中3人でそこへ行くと、寂れた民家があって有刺鉄線が巻かれキケンとかかかれた看板がある。

中に入ると電気も通ってないので懐中電灯をつけて居間っぽい畳敷きの部屋に座りこんだ。

B先輩だけ一度来たことがあって、弟とAは何があるのかも知らなかった。

B先輩曰く、ここで「しのうかさん」という怪談を「作る」と不思議なことが起こるという。

つまり「しのうかさん」自体に正体はないらしい。

まず弟が思いつくままにこんな話をした。

「昔この家の息子と近所の家の娘が恋に落ちたけれど…

両方の家族から反対され思い悩んでいた。

ある日娘が深刻な顔をして
『ねえ、死のうか。一緒に死のう』と言った。

男の方は女の情念が怖くなり家を捨てて逃げた。女はこの家のこの部屋で首を吊った」

これを聞くと、今までビクビクしている弟たちをからかうようにリードしていたB先輩が真っ青になって震え始めた。
続いてAが話しはじめた。

「昔この家の息子と近所の家の娘が恋に落ちたけれど、両方の家族から反対され思い悩んでいた。ある日娘が深刻な顔をして『ねえ、死のうか。一緒に死のう』と・・・」

そこでB先輩が「それさっきAがゆうたやいか」と叫んでガタガタ震えながら部屋を飛び出した。

訳のわからないまま3人とも家を出てバイクに乗ったそれでB先輩の家まで帰りつくとようやく落ちついてB先輩がいった。

「前来た時もツレがお前らと同じハナシしたんじゃ」

その後よくよく話を聞いてみるとあそこで「しのうかさん」の作り話をすると呪いがかかって、近いうちに「しのうか」という声を何らかの形で聞く。

そこで「しのうしのう」と返答しないと死ぬ、という話だった。

まゆ「…僕が思うにこの話は都市伝説の類のようだと思うな…」
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