ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡

ー稲葉の部屋(仮)ー

稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」

禅「烏哭禅の…」

稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」

稲葉「今日はゲストはドライなあの人、無口な始末人、宮塚さんと…」

禅「豪快の…処刑人…炎銃…さん…です」

宮塚「……なんで、コイツと」

炎銃「それはこっちの台詞だっーの!」

宮塚「煩い…」

炎銃「テメーはもっと声張れや」

稲葉「あらあら、仲がいいわね。」

禅「すい…ません…火に…油を…注が…ない…で…ください」

炎銃「コイツと仲がいいと思われるくらいなら、俺は小鳥遊の野郎と結婚したほうが、まだマシだ。」

宮塚「それはこっちの台詞だ。それとお似合いだぞバカ同士な。」

炎銃「あ?小鳥遊の野郎はともかく…誰がバカだ?」
宮塚「頭だけでなく耳も悪いのか?」

炎銃「テメェ…」

稲葉「はいはい、時間がないから百物語をはじめてね。」


炎銃「っち……っか、テメー怪談なんか話せんのかよ?あ?」

宮塚「いちいち騒ぐな。多少は話せる。」

炎銃「ケッ、まぁいい。俺から話すぞ。こいつは…高校受験に落っこちたダチの体験談だ」

そいつは、しばらくふさぎこんでいて「このままじゃ俺自殺するかも」と自分でも少し危なく感じ始めたので、何か楽器をすることにした。

んで、ドラムとエレキベースか悩んだ挙句、ベースを買うことにした。

基本的にインドア派だったダチは、家にいるときはだいたいベースの練習をしてた。

別に休日にはしょっちゅう鏡の前でベース弾きながら調子乗っていた。

そんなある日、いつものように調子乗ってベースを弾きながら鏡の前を右へ左へ横切っていると、鏡に何かが写っているのが見えた。

人間の形をした、黒い何かが。

一瞬にして血の気が引きました。

もう一度鏡を見ると何も写ってない…

確認し終えた瞬間に、ベースの弦がバチン!と切れて、腕にスパッと一線の傷ができたらしい…

炎銃「それからそいつ、鏡の前に立つのが怖いらしい…」

宮塚「……」

炎銃「なんだ?」

宮塚「いや、なにも……ある男の話しだ…」

飲み会が終わり、一人で繁華街を歩いていたら、背中に視線を感じた。

振り向くと、暗がりで女が壁から右半分だけ顔を出してこっちをじーっと見ている。

変なのと思ったけど、酔ってていい気分だったので無視を決め込んだ。

しばらくして、さっきの女が別の暗がりからこっちを見てるのに気付いた。

ひょっとしてストーカーか?と思ったけど、気にしないことにした。

でもそれが数日続くとさすがに鬱陶しくなってきた。
半分だけ顔出してなんて、ひょっとして恥じらってるつもりか?

文句を言ってやろうと女にずかずか近づいていった。

宮塚「…その女は右半身しかなかったそうだ。」
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