ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡5

ー稲葉の部屋(隣)(5/26/夕)ー

稲葉「毎度お馴染み。笑いと癒しを提供する古川稲葉と…」

禅「烏哭禅…と…」

優希「千歳優希&…」

紅菜「紅菜の…」

稲葉「電!」
優希&紅菜「「脳!」」
禅「ラジオ…!」

稲葉「はい、電脳ラジオの時間よ。今日のゲストはミハイル殿下と炎銃さんよ」
ミハイル「金こそ至高の僕だ」

炎銃「闘いはご褒美の俺だ」

優希「殿下の超威力省エネ砲談義も今日で三回目ですね」

ミハイル「そうだな。じゃあ、今日はどうして火薬のみを用いた銃よりも、ヘリウムを用いたライトガスガンの方が銃速が速いのかを話してやる。」

優希「簡単ですか?」

ミハイル「いや、今回は難しいぞ。砲弾を加速させるガスの速度はガスの温度を平均分子量で割った値の平方根に比例して大きくなるからだ。わかるか?」

優希「えと…」

紅菜「炭素、窒素、酸素を基本とする火薬の平均分子量は22前後だから…」

炎銃「分子量が決まってる以上、より速くしたいなら温度をあげればいいだろ。」

優希「ついてけてるよ…」

ミハイル「だが、そうなると砲身の金属には耐熱限界がある。秒速2000メートルあたりで頭打ちだ。無論、これは理論値で、現実には最速のライフルでも1200メートル程度にしかなりわしない。」

炎銃「……あぁ、なるほどな。」

優希「どうしました?」

炎銃「つまり、逆をいえば、温度が同じでも分子量が小さけりゃ砲弾ははやくなるわけだ」

ミハイル「そうだ。火薬は炭素と酸素が燃焼するものであるからな、どうあがいても平均分子量は22の壁を越えられん。そこで登場するのが平均分子量が2のヘリウムだ。」

紅菜「だから、火薬を燃焼させたエネルギーでヘリウムガスを圧縮して砲弾を飛ばせばいいじゃない…ってことになったのね」

ミハイル「ああ、普通のガンパウダーの燃焼温度は1325℃ほどだ。これを平均分子量の22で割ると約60だな。けど、平均分子量2のヘリウムなら663だ。60の平方根7.745966692に対し、663の平方根は25.74878638だから3.324154028倍の差が発生する。」

炎銃「火薬とヘリウムだと温度電動率や熱容量も違うよな」

ミハイル「そうだな。長大な計算式を羅列しても訳がわからないだろうから言わないが、超伝導方程式を使って計算したら約2.3333…倍の差が生じる。両者を合わせると3.324154028×2.3333…で、約7.8倍という数値が出てくる。ライフルの最速が秒速1200メートル程度だから7.8倍すれば秒速9360メートル。これがライトガスガンが「理論上秒速1万メートルも可能」とされる根拠だな。」

稲葉「それじゃあ今日の放送はここまでよ。メインパーソナリティは古川稲葉と」

禅「烏哭…禅で…お送り…しました。」
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