ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡

ー稲葉の部屋(仮)ー

稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」

禅「烏哭禅の…」

稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」

稲葉「今日のゲストはラスト侍の小鳥遊梔姉様とお爺様の愛弟子サイエンティストの夏喜空さんに来ていただきました。」

梔「よろしゅうに。」

空「ども、妹がお世話になっとります。」

梔「そっちの子ははじめましてやなぁ。」

禅「はい…はじめ…まして。今日は…よろしく…おねがい…します。」

空「礼儀正しいなぁ。海も少しはこうなってほしいわ。」

梔「ふふ。子供はやんちゃなくらいがかわいどすえ。」

稲葉「では、梔姉様お願いしますね。」

梔「ほな…門下生から聞いた話どすが…」

京都までJR湖西線新快速に乗ったその日はうまく座席が空いていて出発してまもなく、うとうとしだした。

ずっと目をつぶっていたがアナウンスからして大津駅にさしかかった頃、両膝に何かがのしかかった。

大きさとそのちからからして丁度こどもが手で体重をかけたと同じなので電車が混んで来て子供が自分の股の間にはいったようになったのかと邪険に膝を動かさずにしばらくそのままにしていた。

しばらく、そのままでいたがもうすぐ京都駅なので目をあけて確かめようとした。

すると、なんと自分の前には誰もいない。
しかし膝には依然として誰かが触っている感触が確かにある。

梔「…もう一回目を閉じたら重さは消えたそうどすが…未だに何だったのか…と思っとるそうどす」

空「ほな、次は私が話ます。私が用事で大阪に向こうた時の話です…」

某年の8月12日、午後6時に羽田を発つ大阪行の日航便に乗った。
520名が命を落としたあの御巣鷹山の事故からちょうど15年たった同じ時刻の同じ便である。

機内は満席で、誰もあの事故のことなど忘れているようだった。

機が離陸し、私は例の事故を思いながら、ぼーっと窓から外の景色を見ていた。

と、そのとき、翼の上に大勢の人が車座になり楽しそうに話しているのである。
中年の男もいたし、子供もいた。
そんなはずがあるわけがないと正気に戻り、スチュワーデスを呼ぼうとしたが体が動かない。
金縛りである。

どれくらいたってからだろう。

「相当、お疲れのようですね」と、スチュワーデスに起こされた。
大阪に着陸した後のようだった。
もう周りには誰もいなかった。

私は冷や汗をかきながら、先ほど見た出来事をスチュワーデスに話した。

するとスチュワーデスは遠い目をしながら言った。
「今日でしたよね。あの事故は…。私も似たような経験をよくするんですけど、気にしないようにしてます」

空「…あんまり不可思議事は信用せえへん私も…あの時は…事故の被害者達は今でも成仏出来ずに彷徨っているのだろうか…って思いましたわ…」
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