ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡

ー稲葉の部屋(仮)ー

稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」

禅「烏哭禅の…」

稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」

稲葉「今日のゲストは悠でお送りするわ。」

悠「ソロモンよ…ワタシは帰って来たのだ。」

禅「核…搭載…ですね。」

悠「おぅ。核処か拘束制御術式零号を発動する勢いだぜ。」

稲葉「まぁ、やる気バリバリね。他には召喚できないの?」

悠「煉獄七姉妹とかなら。」

禅「趣味…ですか?」

悠「もうね、煉獄七姉妹になら少しくらい抉られてもいいよ。」

禅「身体…張れる…ほどです…か」

悠「本命はゼペルとフルフルだけどな。」

稲葉「片方は男の子よね?」

悠「受け入れよう。愛の悪魔を……。」

禅「おぉ…マジですね。」

稲葉「そうやって色々ダメな噂が立っていくのにね。」

悠「あっはは、溢れる教養、足りない栄養だ。さて…では、始めますか。百物語を…」

禅「はい…じゃあ…俺が話しますね。」

悠「あ、あれ…ミーじゃないの?」

稲葉「今日、悠が来るとは思ってなかったからね。」

禅「…これは…少し前にあった出来事で……チャット…仲間の…体験談です。」

彼は少し前まで、ほぼ毎日のようにチャットに入り浸っていました。

ある日、そこで1人の女の子と出会いました。

普段はチャットでナンパの真似事をして欲求を満たしていたのですが、その子はどうやら悩み相談がしたいらしく、「今日はエッチなことは期待できないかな…」と思いつつも、たまにはこういうのもいいかと思い、聞いてあげました。

といってもその悩みとは、彼氏とのケンカや、嫌いなバイト先の先輩についてなどという他愛もないものでした。

しかし、どうやら悩みを聞いてあげたのがその子にいい印象を与えたらしく。

また彼も、彼女の住んでいる所が隣の県らしいことを聞いてそのうちエッチなことが出来るんじゃないかと期待し…

その後もお互い相手がいるのを認めるとどちらからともなく話しかけ、チャットでお喋りするということが続いていきました。

けれども数週間経った後、突然彼女はチャットに現れなくなりました。

彼はチャットに入るたびに彼女を探したのですが見つからず、そのうちまた新しく入ってきた女の子をチャットでナンパして、欲求を満たしていました。

それから数週間後、彼女のことを忘れかけていたた時、チャットに彼女が現れました。

すぐに「どうしてたの?最近見なかったけど。」と声をかけると「色々あって。実は、彼氏と別れちゃって」という返事。

それを聞いた彼は残念がってるような態度をとりつつも、内心ほくそえんでました。

それが彼女にも伝わったのか、少し雑談をしたあと彼女の方から「今度会わない?」と言いだしました。

願ってもないチャンスと思った彼は二つ返事でそれを承諾し「どこで会う?」と聞きました。

すると彼女「私から行ってもいいんだけど、私今 足がないんだよね。」と言いました。

そういえば免許が切れていたと言っていたな、と思い出した彼は「じゃあ俺がそっちに行くよ」と言い、詳しい住所を聞き出し、早速週末の日曜に約束を取り付けました。

そして日曜。
身だしなみを整え、心を弾ませて彼女の家へと少し早めに彼女の家につきインターフォンを押すと、彼女の母親らしき人が出てきました。

予想外のことに彼は少しひるみつつも「遊ぶ約束をしているんですが…」と言い、事の大まかないきさつを不審に思われない程度に言うと、母親は彼を家に上げてくれ、そしてある部屋に案内してくれました。

そこには……

彼女の遺影がありました。

内心混乱しつつも事情を聞くと、どうやら彼女、あのチャットに現れなかった時期に亡くなっていたそうです。

ありえない出来事に、彼は大きなショックを受けましたが、しかし、一番怖かったのはそのことではありません。

一番怖かったのはその日家に帰ると次のようなメールが届いていたことです。

「今日はきてくれたありがとう。大きな車にのってるんだね。その髪の毛はそめたの?私もそめたいなぁ。なんで今日はすぐ帰っちゃったの?こんどは私がそっちいっていい?迎えにきてくれるとうれしいなぁ……一緒に行きたいところがあるんだ♪」

すぐにそのメールは消去し、次の日携帯から番号からメアドから何から何まで変えました。

「彼は…今も…いつまた…彼女からメール…が送られてくるのかと……新着などを見る…の…が怖い…そう…です。」

悠「目に見えない相手と話すときは注意だな。…って時間来たし?!」

稲葉「悠は明日ね。」
41/100ページ
スキ