ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡

ー稲葉の部屋(仮)ー

稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」

禅「烏哭禅の…」

稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」

稲葉「ゲストはお馴染みに、ともきくん、優日でお送りするわ」

ともき「紅君いないのか。」

優日「海ちゃんも」

禅「紅…さん…は…怪談の…ネタが…無い…から…探しに…いって…くる…そうです」

ともき「真面目だな。」

稲葉「海ちゃんは…どうしたのかしらね。うふふ」

優日「わぁ…稲葉ちゃん笑い方が悪人。スカポンタン」

ともき「ドロンジョか」

稲葉「じゃ、そろそろ、始めましょうか」

優日「じゃ、私が話すね。これは、中学の時、化学の先生(女)に聞いたお話。」

その先生が学生の頃、夏休みにキャンプに行く事になってな…

テントをはる場所から一番近くにあるトイレはめちゃくちゃ薄暗くて汚く、個室が二つあるだけ。

先生は「あんまり入りたくないな」と思ったそうなの。

そのうちに夜が更け、お決まりのキャンプファイヤーが始まり。
盛り上がっている最中、不覚にも彼女はトイレに行きたくなったらしい。

でも自分一人であの薄暗くて汚いトイレに行くのは冗談じゃないので、友達についてきてもらう事にした。先生と友達は足早にトイレに向かって。
昼間でも薄暗いトイレは夜に見るともう真っ暗。

先生は「早く用を足してここから逃げたい」と思ったそうなの。

素早くでトイレの豆電球をつけ、友達に外で待っててもらって中に入り。

そして入り口から一番近い個室のドアを開けようとした時…
……戸が開かない。
押しても引いても。

「あれ?何で?」と彼女は疑問に思いましたが、すぐにある事に気がついた。

トイレのドアの隙間をよく見ると、豆電球の薄明かりに紛れて人影が見える…

そしてその人影がドアを引っ張っていて開けさせまいとするかの様に。

彼女は「ああ、ここには誰か人が入ってたんだ。じゃあ奥のトイレに入ろう」と思い直し、急いで奥のトイレに向かった。

しかしその時、ふと気づいた……

「ちょっと待って…?」

私が入ってくるまで、このトイレは電気がついてなくて真っ暗だったはず。この人はどうして、電気もつけずにトイレに入ってるんだろう…?

次の瞬間、背筋がゾーーッとした。
こんな夜中に、こんな真っ暗なトイレで、この人は何をしているのか。

彼女はもはやトイレなどどうでも良くなり、外に飛び出して友達をせきたて、慌ててそこから逃げ出した。

「っで…結局、そのトイレで誰が何をしてたのかは最後まで分からなかったし、先生は、あのドアを必死に引っ張る人影を思い出すたびに、なんともいえない恐怖に駆られ、身震いするんだって……」

ともき「結構話すの上手いな。」

優日「えへへ。そうかな。」

稲葉「ほんと、意外な特技があったのね。」

優日「どんとこーい。」

ともき「ノリはそれなのか…」

禅「おや…時間が…来てしまい…ましたね…」

稲葉「じゃあ、第四話は次回ね。ともき君、話を用意しといてね。」

ともき「あぁ、やっぱりか」

稲葉「じゃ、またね。」
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